#13 とあるスマホ中毒者の脳内独白
(1322字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)
気が付くと片手にはスマホ。
起床直後も、食事中も、バスを待っている時も、寝る前も、お手洗いに行く時さえも。
昨日もスマホ、今日もスマホ、明日もスマホ。
スマホ、スマホ、スマホ。
嗚呼。
認めたくないが、どうやら私もスマホ中毒になっているようだ。
ゲームはしていない。
ツイッターやnoteのアカウントは持っているが、これらのアプリも一切インストールをしていない。必要な時にだけ使えば良いと思っているので、都度エクスプローラーを開いて、キーワード検索をしてページに到達後、ログインして使っている。
ほぅら、私だってスマホの使い過ぎに気を付けようと、このように対策を打っているのである。
それでも、なぜか中毒現象は消えず。私は今日もこうして隙あらばスマホを掴み、次から次へと画面を指でスワイプさせている。
しゅっしゅ。
しゅっしゅっしゅ。
そもそも(しゅっしゅ)、スマホを眺めていても(しゅっしゅっしゅ)別にこれといって(しゅっしゅっしゅっしゅ)リラックスは出来ていないのに(しゅっしゅっしゅっしゅっしゅ)。
それなのに(しゅしゅしゅしゅ)、こう手が指が勝手に(しゅしゅしゅしゅしゅ)スマホをつかんで(しゅしゅしゅしゅしゅしゅ)、目が勝手に(しゅしゅしゅしゅしゅしゅ)次から次へとネット記事をーー
はっ!
そうか、私の時間ドロボー、それはゲームでもSNSでも無かったのだ!!!
私のスマホ中毒の元凶、ずばりそれはーー
ニュースだ!!!(しゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅしゅ)
そこで思ってみた。
私は生きてこのかた、もう十分にたくさん辛い経験やこの世の悪を見てきた。
それなのに、何故今になってもなお、こういった不要なモノをスキマ時間を利用してでも脳内に詰めるよう努めているのか。
よく知らない芸能人のゴシップ。
絶えず世界のどこかで起こっているバッドニュース。
強制的に目の前にちらつく、不愉快な気分にさせる漫画広告。
知らなくても生きるのに全く困らない、いや、むしろ知り過ぎているからこそ日々が暗くなりそうな要素ばかりだ。
こういった情報を浴びるように見たところで、一体何になるのか。
確かに、頭の中がお花畑な状態では世渡りは大変だ。
だから多少社会や人間の本性にある残酷さを知っておくのは大事である。
だが、もう良いのではないか。
十分過ぎる程分かったのではないか。
時代が流れるに連れて、この世で起こる出来事は必ずと言って良い程悪化していくし、人の心も冷たくなっていく。
日々ニュースは更新されつつあるとも、実質何も新しいことはない。
エスカレートの繰り返し、それだけなのである。
私が政治家といった立場にあり、これらを細かく知ることで世の中を良くすることが出来るのならまだしも、実際私に何か出来る訳でもない。
むしろ、悪情報の影響で私の機嫌が悪くなり、ネガティブになって周りを暗くしてしまう。
そこから連鎖反応が起こり、関連する人や環境がどんどん悪くなる。
いや、良いこと一個もないじゃん!
はぁ。
そろそろこんな行為をやめよう。
心に明るさを取り入れよう。
そうだ、例えばーー
きれいな風景の写真。
かわいい猫や犬の動画。
うるっと暖まる感動的なストーリー。
これらを、ネットで……って、やっぱり結局スマホ中毒から抜けられない?!!?