日新月异ーーモンブランと技術の進歩と文明の発展
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【日新月异】
ピンイン:rì xīn yuè yì
意味:発展が速く、どんどん新しい物事が生まれてくる様。
『モンブランと技術の進歩と文明の発展』
カフェで季節限定の特製モンブランが出ていたので、一つ注文した。
山のように重ね塗りした栗ペースト。
てっぺんには小さな栗の実が、ちょこんと一つ。
可愛らしいフォルムをフォークでサクッと崩すと、中から茶色い栗のクリームと真っ白な生クリームが二段重ねで出てきて、それらを支えるようにスポンジケーキが一番下から顔を出した。
美味しくてつい夢中になって食べていたら、あっという間に完食。
コクある味わいだった。
甘さも層になっていて、栗のペーストから生クリームにかけて徐々に薄くなり、仕上げにスポンジケーキの優しい甘みが添えつけてくるような工夫がされていた。
きっと作る側は数時間、数日……いや、ひょっとしたら数週間数ヶ月数年をも時間をかけて、この小さな一つのケーキをデザインしてきたのかもしれない。
私達が生活している町、歩いてきた道、手に触れている様々な品物。
これらは全て誰かが設計し、試行錯誤を繰り返し、苦労して作り上げてきたものだ。
今では当たり前のように活用されている技術だって、一昔前では想像もつかなかった大発明であり、
日々の暮らしにあるなんとなく存在しているものは何一つ無く、掘り下げればその裏には全て壮大なストーリーが詰まっている。
このモンブランを乗せた小さなお皿一つにだって、使い心地・食べ物を美味しく見せる色合い・お店の雰囲気とのマッチング具合といった様々な要素がバランスよく詰め込まれている。
つい見逃してしまいがちだが、こういった食器からテーブル、椅子、照明の暖かさ、呼び出しベルまで、カフェごとに使われているものが異なるのだ。
どれ一つ適当にその場に置かれているものなんかない。
日照り、大雨、強風、野獣。
トゲに覆われた植物、足裏を刺すゴツゴツとした地面、激しい川や海の流れ。
この大自然は本来、生き延びるのに一苦労する場所であった。
そんな環境で、人類は様々な不便を除き、荒れ地を開拓し、更に文明の発展に伴った多種多様な工具を社会いっぱいに揃えた。
それが今の私達の暮らしである。
たかがモンブラン、されどモンブラン。
当たり前のように口にしている甘ーいお菓子にありつくまで、私達は実に長い長い歴史をたどってきたのだ。
ーーなんて、糖分に刺激された想像力をもてあましながら、私はカフェを後にした。
📚たくさんの歴史と文明に囲まれて、私は生きている
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