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「電気のF1」はスイスの街中でも開催

– フォーミュラE 第5(2018-2019)シーズン 第11戦 -
フル電動のレーシングカーによるバトルが行われ、「電気のF1」とも呼ばれる「フォーミュラE」(FE)。立ち上げから5年目を迎えた今シーズンは、BMWと日産が参戦を開始し、アウディ、ジャガー、DS(プジョー&シトロエンのプレミアムブランド)、インドのマヒンドラと6社の自動車メーカーがしのぎを削り、盛り上がりを見せています。「シーズン5」の第11戦は、スイスの首都ベルンの街中で行われました。

一般道を一時的に閉鎖して造る「ストリートコース」で開催されるFEのレース。コース幅が狭い上にコンクリートの壁に囲まれているので、抜きどころが少なく、クラッシュの危険性もあり、とても高度なドライビングが要求されます。この日のレースでは、スタート直後の第1コーナーで4番グリッドからスタートした元F1ドライバーのパスカル・ウェーライン(ドイツ)と5番グリッドのマクシミリアン・ギュンター(ドイツ)が交錯。他車も巻き込んでコーナーをふさぐ形となり、レースが一時中断されるシーンもありました。

2度目のグリーンシグナルで好スタートを切ったのは、ポールポジションのジャン=エリック・ヴェルニュ(フランス)と予選2番手からスタートしたミッチ・エバンス(ニュージーランド)。

エバンスはチェッカーフラッグまで、およそ45分間にわたって接触すれすれのバトルで追い越しのチャンスをうかがっていました。一方、昨シーズンのチャンピオン、ヴェルニュは巧みなブロックでオーバーテイクを許さず、トップでチェッカーフラッグを受けて今季3勝目を挙げました。これで、チャンピオン争いでもリードを広げてシーズンの終盤に突入です。

レース終盤は、トップ2台の後ろでセバスチャン・ブエミ(スイス)とアンドレ・ロッテラー(ドイツ)の2人もテール・トゥ・ノーズの接戦を演じました。ゴール直前に夕立が降って荒れる展開が予想されましたが、大胆にマシンをスライドさせながらロッテラーの猛攻をしのぎ切ったブエミが3位でゴールし、母国スイスで表彰台を獲得しました。

モタスポ!Parkがレースの現場でお世話になっているドイツの自動車部品メーカーZF社もFEに参画しています。ZF製高性能ダンパーとパワートレイン(モーター、トランスミッシ、インバーター)を搭載したマシンで参戦している「ヴェンチュリー・フォーミュラEチーム」のフェリペ・マッサ(ブラジル)は8位に入賞。また、同じマシンを使用する「HWAレースラボ」のストフェル・バンドーン(ベルギー)も10位でゴールし、ZFのテクノロジーがダブル入賞を果たす活躍でした。

FEはこの後、アメリカに向かいます。第12戦と最終戦となる第13戦が、7月13~14日にニューヨークの市街地を封鎖して開催されます。

Bern, FIA Formula E, round 11
1. J.- É. Vergne
2. M. Evans
3. S. Buemi
4. S. Bird
5. M. Günther
6. D. Abt
7. A. Lynn
8. F. Massa
9. L. Di Grassi
10. S. Vandoorne

©FIA FormulaE

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