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レーシングカーに大接近:空力パーツ編

タイヤに続き、今回はSUPER GTのモンスターマシンのパーツをご紹介します。500馬力を超えるパワー。時速300キロで疾走するレーシングカー。クローズアップでじっくり見る機会は、なかなかありません。今回は、ドイツの自動車部品サプライヤーZFさんのご厚意でピット作業エリアに潜入!各チームのエンジニアさんに怒られない範囲で写真を撮ってきました。

これはリヤウイング。飛行機と逆の役割で、空気を利用してマシンを下に押し付けるための「空力=空気力学」的な部品です。某ドラッグストアチェーンの名前が入っている手前の板が「翼端版」。すべて、空気の流れを整えてマシンを路面にグリップさせるために働きます。

運営に莫大な予算を必要とするモータスポーツ。あらゆるトコロがスポンサー向けの広告スペースになります。「なぜ今、鹿?」と思いましたが、鈴鹿=鈴+鹿なんですね。こんなお遊びをするスペースにも使われるようですw

上から見ると、こんな形です。やはりスペースには企業ロゴが。

これは、リヤウイングの角度を調整する仕組みのアップです。コースの特性やドライビングスタイル、それからレース全体の戦略など様々な要素を検討し、どのくらいの角度をつけてどのくらい下向きの力を発生させるかを決めます。一般に、下向きの力=路面へのグリップが強くなれば、空気抵抗は増加するので最高速が伸びずらくなります。グリップを高くしてコーナーを速く走るか、それともコーナーは抑えたスピードでまわり、直線を速くするか、チームの考え方も様々です。

空力面で重要な要素の一つにタイヤがあります。回転するタイヤは空気の流れを大きくかき乱します。できるだけ「抜け」を良くすることで悪影響を抑えつつ、ドライビングにメリットがある様に空気を整えます。このスリットも、多分そういった役割を担っていると思います。ちなみに写真の上の方に映っている逆L字型の黒い部品。これ、サイドミラーを取り付ける柱です。空気の流れを乱さないように、できるだけ車体から離して、かつ空気抵抗を最低限にするために薄く作られています。

こちらはレクサスLC500のフロントフェンダーです。スリットの位置が違いますね。レクサスは上に空気を抜く構造の様です。上でご紹介したオレンジのマシンはホンダNSX-GTですが、ホンダは後ろ向きにスリットが空いていますね。この辺は、空力的な考え方に関するメーカーごとの考え方の違いが現れていて面白いですね。

ちょっと毛色が違いますが、これは、サスペンション部品のかなめ、ショックアブソーバー。ダンパーともよばれます。空力と相まって、この性能やセッティングも、マシンの操縦性能に大きく影響を与えます。

ということで、タイヤにつづきレーシングカーの空力を少しご紹介しました。他に「これが知りたい!」、「こんなトコが見たい!」というリクエストがあれば、是非、お知らせください。がんばって取材してきます。



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