【雑感】感情と論理を区別する
<おじさんDX Vol 539>
とある職場で働き方(時間外労働)について社員間でちょっとした摩擦があった模様です。どちらが正しいのかは別としても、今後判断をする際にどうしたら良いのか相談を受けました。
✅時間は守らないといけない義務がある?
小売業で時折見られるのが、扱う商品群を担当する部門担当があるのですが、部門によって「忙しい部門と「そうでない部門」があります。
主に取引量の違いで大黒柱ともなる主力部門担当者は、それこそ忙しいのです。とは言え、人的資源を多く投入するにも人数の限界があります。
繁忙期などは、その部門の注文や取引が集中しますので周囲もサポートするのですが…。どこの職場も似たり寄ったりなのでしょう。
忙しくても仕事を残して帰るスタッフ。
働き方改革もあって残業禁止措置などありますが、店舗はチームとして行動しています。そうした環境で特定のスタッフだけが毎回仕事があるにもかかわらず定時で帰り続けるのは、他のスタッフとの関係において問題が発生する可能性があります。
時間は規定通り守らなければいけない。
仕事は残さずに行うか、翌日に影響がないよう目途をつける。
仕事に対する考え方や行動の違いと言えばそれまでなのですが、両者がかみ合わないのです。
✅感情面と論理面
私が経験してきた世界は、感情論が多く蔓延っていました。
同僚や上司が仕事をしているのに、先に帰るなんて気を使いますし、その場の雰囲気から帰るにも躊躇してしまいます。
ですが、自分の役割を終えているなら、堂々と帰って構わないのです。
問題の職場で時間通りに帰るスタッフは、自分の仕事を残してでも帰っている「仕事の仕方に問題」があるのであって、周囲が感情的に抱く不満とはまた別問題なのです。
ただし感情面を蔑ろにすると、働く上で影響があるのも事実です。
仕事というのは、双方の協力があって成り立っているので、人間関係に響くような態度や行動は、好ましくないからです。
✅こんな経験が…。
私が若かりし頃に在籍していた会社で、同じ年齢ながら中途入社の新人の私に対し、主任という役割の方が居ました。
主任は、朝の通勤ラッシを避けるべく、会社の始業時間よりも早く出社していたのですが、私も同様に混雑をさけるべく早目の出社でした。
当初主任は「そんなに朝早く出社しなくてもいいよ」と言っていたのですが、主任はこの開店前の時間を使って、各種業務を行っていたのです。
そんな私はというと、適当に店内の掃除をする程度でしたが、そこに手が空いている人がいると、やはり手伝って欲しいのが本音です。
雑用がメインでしたが、他の社員が出社してくる1時間ほど各種雑用をするようになり、やがて開店前の機械の立ち上げや、当日の伝票処理などまでこなすようになっていました。
すっかり朝の業務は、主任とコンビが普通に…。
ちなみに当時入社3年程度の社員でも、この業務をマスターしておらず、私が入社するまでは、主任1人でやっていたとのこと。
と、マンツーで仕事を教わるコトが出来たのです。
✅感情面の影響
この主任とは、私が会社を辞めた後でも縁があって、とある地域の店舗責任者になった際、競合店の責任者だったという偶然が発生。その時に主任が言ったコトが、やはり人間は感情の動物なんだな...と思ったのです。
私と同期で入社した社員は、時間通りの勤務でした。
それは全く構わないのですが、新人ともなると覚えることが沢山あります。その覚えなければいけないコトを営業中にみっちりと教わる環境になかったのです。
なんせ人手不足業界。
今ならとんでもない話ですが「見て覚えろ」状態ですから…😅
話を戻して、感情面がどう影響したのかは、その後の同期との差が明確に出たことによります。
これは感情面が顕著に出てしまった事例です。
仕事を教える側にとっては、こうした受け取り方もあるのです。
そりゃ教わっている時間は、圧倒的に私の方が長いですし、時間よりも濃さが違います。要領の悪い私ですら、あれだけ反復行動すれば多少なりとも習得していったのです。
短い期間でしたが、社歴1年程度の若手が経験出来ないような場面に何度も駆り出されました。これは、後々に経験として生きてきたのですが、当時の私はそんなことを知るはずもありません。
✅感情面と論理面での区別が必要
そうはいっても「早出や残業をしよう」と言い出すつもりは全くありません。規程時間通りの勤務は社員の権利ですから、このご時世柄とも相まって、時間厳守する方が良いです。
ただし職場というのは、色々なヒトが関わっていますので、
今回の相談でも場面でお互い話がかみ合わないのは、感情と論理どちらかが一辺倒だからです。
今回の相談ですと、周囲も定時に帰るスタッフに怒りや呆れといった感情だけで判断せずに、時間内で仕事を終える習慣付けと仕組みの構築が必要なのです。
その反面、仕事を残して帰るスタッフには、仕事の仕方を改善してもらう必要があります。
結果的に「仕事を残さない」「時間通りに仕事を終える」のが、両者にとって目的地となりますので、いがみ合う必要はないのです。