第197回MBS(2020/4/21対談)「マインドフルネスと食という視点で日本の多様な食や精神性を世界中に伝える」 前編 Zen Eating代表 ももえさん
●ご挨拶と出演者紹介
三木:第197回マインドフルネスビジネスストーリー始まりました。本日はZen Eatingのももえさんに登場いただき、マインドフルネスと料理の取り組みについてお話を伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ももえ:よろしくお願いします。
●enmonoとの出会いについて
三木:鎌倉でZen2.0という禅とマインドフルネスの国際カンファレンスを去年で3回目、今年で4年目なんですが、去年のカンファレンスのお手伝いで参加いただいて大活躍していただいて、広告とか営業とか外とZen2.0をつなぐ役目でサポートいただいて本当にありがとうございます。
ももえ:ありがとうございました。
三木:Zen2.0を知ったきっかけってどういうことだったんでしたっけ?
ももえ:Zen2.0を知ったきっかけは姉が初年度から参加させていただいてて、私が絶対興味あるよっていうことで三木さんにいつか会いたいなと思っていて、お会いできてそのままお手伝いさせていただいたっていう流れです。
三木:ありがとうございます。
●ももえさんのこれまでの活動の紹介
三木:ご経歴というかどういうことをやってらっしゃったかをご紹介いただきたいと思います。
ももえ:私は食とマインドフルネスをキーワードに日本と海外とあまり場所の垣根なく活動をしております。最近は冒険っていうのをキーワードに足して生きている感じです。冒険は主に2個ありまして、1つがインドに住んでいたんですが、この写真もインドに住んでいた頃のジャングルの写真でして、一般的に想像されるインドと違う面も見てきたりしたので、そこで見てきた人々の精神性の深い生活の様子とか食文化とか豊かな面を大冒険と称してYouTubeにアップしているのが1つ目の活動です。もう1つはもやしを育てたり納豆を育てたりしてるんですが、日本で昔から馴染みがあるものだけど意外と作り方が分かんないなっていうものを作ってみると面白かったりするなって最近感じていて、それを作ってみたり職人さんを訪ねて本物の納豆を作ってる方のお話を聞いてみたりっていう、元々ある魅力を再発見することを日本の食文化を出発点としてYouTubeに上げたりしているのが冒険をキーワードに活動し始めた点であります。
三木:今の活動をされる前は別のお仕事をされていたんですよね?
ももえ:はい。別のお仕事をしてました。
三木:どんな感じのお仕事を?
ももえ:3年ぐらい旅雑誌の編集部で働いていて、その後新卒で星野リゾートという会社で星のや東京っていう新しく東京に建つ旅館の立ち上げをしたり…
三木:すごい家がきれいなところですよね。あれは有楽町でしたっけ?
ももえ:大手町です。東京駅の近くですね。そこで日本文化とか体験っていう目に見えない時間を提供するお仕事をしていたので、その時間をどれくらい魅力的にできるかっていうのをひたすら考えるブランディングのお仕事をさせていただいていました。その後にインドに移住して精神探求をしたり料理を習ったりしてきて…
三木:そこで突然インドに移住されるんですか?
ももえ:そうです。元々何度もインドに行ってたんですが、どうしても住みたくて移住して。帰国してからはクックパッドで1年働いて、クックパッドでは料理の動画を作ったりっていうお仕事をさせていただいていて、それと並行して自分が表現したいお料理を作って出すっていうのをカフェ出店でさせていただいていたり、外国人に和食を教えるお料理教室をしていました。
三木:食への興味はいつ頃からお持ちだったんですか?
ももえ:食への興味は昔からありまして、幼稚園の時から料理に対してのワクワクはすごいあって、教えたりし始めたのはここ2年ぐらいなんですが。
三木:どんな料理が中心的なんですか?
ももえ:ヘルシーな和食、何のジャンルの食事に対してもヘルシーっていうのを中心に据えていて、和食だったらあんまり化学調味料とかを使わないお料理とか、ゆっくり煮込んで素材の味がしっかり出てくるような煮物とかお味噌汁とか静かにダシを取るとか、そういう時間をかけて料理をしている時間を楽しむようなお料理をメインに作っています。
三木:今やってらっしゃる和を中心とした食の活動とインドとのつながりはどんな感じなんでしょうか?
ももえ:インドとのつながりは表面上はつながっていないように見えるんですが、自分の中では結構つながってる部分があるなと思っていて。私がインドに行った理由としては哲学的な探求っていうのが一番大きかったんですが、インド人がどういう風に日常を大事に生きているのかっていうのを何度か行って触れていたので、それをちゃんと住んでもっと体験したいなと思って。日々を大事に生きる人達と一緒に暮らしてきたっていうところがインドでの経験でありまして、帰国してみて改めて日本を見渡すと日本でも時間を大切に丁寧に料理をするっていうのは和食にすごく合うなと思っていて。改めて色々学んでいくと禅寺のお食事とか精進料理とか心と食っていうのを日本人の昔から大切にしてきたものとしてあるっていうことを感じて、それを食に投影しているっていうのがあります。マインドフルクッキングと呼んでお料理をしたり、食べる時もマインドフルに食べるとかそういう活動もしたりしてます。
三木:インドは2年ぐらいいらっしゃったんでしたっけ?
ももえ:そうですね。2年弱。
三木:インドにいらっしゃった時はホームステイみたいな感じなんですか?
ももえ:インドにいた時は基本的には自分の家に住んでました。首都のデリーに住んでたんですけど、ここ(背景の写真)も泊まらせてもらってたお家のお庭なんですけど、色んな地域に出かけて行って突撃ホームステイをさせてもらいました。
三木:突撃ホームステイ(笑)。どういう感じの?
ももえ:自分でその地域に行って友達になった人に「お母さんに料理を習わせてもらえないかな?」ってお願いして、料理を習わせてもらった流れでお母さんが「泊まっていきなよ」とか言ってくれて数日間お世話になるみたいなことをしていました。
三木:習った料理はインド料理?
ももえ:習った料理はインド料理です。インド料理も作れますよ。
三木:どんなインド料理でしょうか?
ももえ:私が一番好きな地域は南インドのケララ州っていうところで、そこはお米がメインなので割と日本のお米に近いお米とスパイスを使った脂っこくないスープとかスープみたいなカレーとかそういうのが多かったです。家庭料理をたくさん習ってきたので、日本のインド料理のレストランで食べたことがないようなものがたくさんありました。米粉のクレープとかその中にクミンとかスパイスで味付けしたジャガイモのポテトサラダみたいなのが入ってたりとか、おいしいです。
三木:そのステイするお家はどうやって探すんですか?
ももえ:それは出会った人が紹介してくれたりとか、友達の友達の友達とか。
三木:すごいですね。突撃ですね。
ももえ:突撃ですね。ツテを辿って。なので安全と挑戦の間を…
三木:1人で泊まったんですか?
ももえ:そうです。意外と大丈夫です。
三木:ケララ州っていわゆる田舎な感じなんですか?
ももえ:田舎ですね。こんな感じにココナッツの木があって。
三木:私もインドの田舎に1~2回しか行ったことないけど、本当に何もないというか荒涼たるところにほったて小屋のようなコーヒースタンドがあってみたいな…
ももえ:のどかな感じで時間の流れが全然違うというか、私達が日本で生き急いでいたなっていうのをインド人にすごく気づかせていただいて、何でそんなに急いでいるのか理由はないんだけれど日本にいるとなぜか焦るっていう感覚があって。私は今日本で暮らしながらも焦り過ぎない、時間感覚をちょっとスローにすることに興味があって、それもあって先ほどの味噌とか納豆とかもやしを育ててみたりとか、日本にいながらも山形の山にこもって冒険をするとか、山で採れたものだけで3食食べてみるとかそういうことを楽しいなと思ってやっているのも、悠久のインドで感じてきたゆったりした人生を謳歌する感じを東京にいてもできることもあるなっていう流れがインドと私が今やっている活動とのつながりかなと思っています。
三木:インドと山形ってダイレクトにはつながらない感じだけど、ももえさんの中ではつながってるんですね。
ももえ:つながっています。例えばインドで人の家に突撃ホームステイをさせてもらってお料理を習うとかって結構大きい冒険でかなりドキドキするものだと思うんですが、ドキドキレベルは大きくても小さくても遊び心とかチャレンジするっていう意味では日常でできる小さいチャレンジも同じかなというのを最近感じていて、そういう遊び心を持って挑戦してみると日常でも活力が湧いてくるというかちょっと元気になる。「これやってみよう!」と思ったりとか、「あ、もやしの芽が出てきた!」と思ったりとかそういう元気が出てくるような存在になれたらというか、そういう発信ができたらうれしいなと思って最近発信を始めてるっていうのもあります。
●zenschool殿町を受講して見つけた“小心者の大冒険”
三木:ももえさんは我々のやっているzenschoolの殿町版にもご参加いただいたんですよね?参加のきっかけはどんなことだったんでしたっけ?
ももえ:参加のきっかけは私は事業を立ち上げようとして半年以上どうしよう、こうしようって悩んでいて、その立ち上げようとしていた事業っていうのが外国人に和食を教えたい方向けの講座とかコミュニティとかを考えていたんですが、何か進まない感じがあって、そのタイミングで三木さんが講座を募集されていたので、何か内発的なものを取り出してイノベーションというか突き抜けるような事業創出ができそうだなっていうのをzenschoolの説明を読んで思ったので申し込みしました。
三木:それで実際に参加してみて自分の期待とどうでしたか?
ももえ:期待と同じ方向にすごく良かったっていう部分もあれば、想像していなかった方向にすごく良かったっていう2つの方向に良かったなと思っています。想像していないことも起こるんだなっていうのを感じました。想像通りだったら面白くないっていうのもあるので、そういう意味ではすごく良かったなと思っています。
三木:どんなことが想像してなかった良かったことだったんですか?
ももえ:zenschoolの中で瞑想をして子供の頃の自分がワクワクしていたものを取り出してそれをアイデアの核として事業を立てていくっていう部分です。私はもっと高尚なマインドフルネスのプラットフォームを作りたいと元々は思ってたんですけど、たぶんそれは脳で考えて出てきたことで…
三木:それだったら儲かるみたいなね?
ももえ:そうなんですよね。それは社会に必要そうみたいな視点だったんですけど、それを私がやるのかっていう立場であんまりzenschool以前は見られてなくて、zenschoolで自分の内発的なものを大事にしていった時に冒険っていうキーワードがそこで生まれたっていうのが想像していなかったことです。冒険っていうキーワードで見たら結構自分が今までやってきたことがスルスルスルっとつながった感じがあって、先ほどのインドでの活動とか日本食を再発見していく活動って私の中でそれまで矛盾していて散らばっていてちょっと整理しなきゃって思っているもの達だったんですけど、それを冒険っていうキーワードをzenschoolで見つけることができて、そのおかげでスルッとつながった感じがあります。“小心者の大冒険”ってその後名前を付けたんですけど。
宇都宮:冒険っていうのはキーワードとしては出てなかったんですか?
ももえ:ほぼ全く出てなかったですね。
宇都宮:子供にまで遡れば出てきたっていうこと?
ももえ:ですね。不思議と思いつかなかったです。
宇都宮:大人になってからはなかったんですか?
ももえ:言葉としては自分の中に「私、冒険家です」みたいなことを言ったことはなかったです。zenschoolで“小心者の大冒険”って呼んだのは私は南極に行ったりする冒険家ではないので、心は小心者なんだけどインドに行ったのも冒険だし、日常の小さい遊び心も冒険だしっていう観点で、色んなことにチャレンジするのを全部ひっくるめて“小心者の大冒険”っていうのができたのがzenschoolでうれしかったことですね。
宇都宮:いいですね。
三木:ありがとうございます。
▶後編に続く
▶対談動画
▶Zen Eatingサイト
▶Momoe cookingのYoutube
①日本の多様な食文化の魅力を再発掘する「キッチンチャレンジ」
(味噌、納豆、もやし作りをこれまで実施)
②ごきげんな冒険家が挑戦したり探検したり突撃する小心者の大冒険
(南インドの民家でかまどで料理、バナナやココナツが生える庭を散策などの動画)
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