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「違和感」をから面白さを考えてみる(前編)

 全P連が普段講演講座の中で良くお伝えしている内容の一つを話していきたいと思います。面白さを考える上での思考「違和感」です。元々はPOPや販促をつくるアイデアに繋がる日々の目線やそれを人に伝える上での思考としてまとめたものですが、モノに限らない考え方にも十分当てはまるので他の領域の方たち対象の講座でもお話ししています。

■共感を生む「違和感」とは

 「違和感」という言葉ですが辞書だとこの様な意味で書かれています。

【違和感】
しっくりしない感じ。また、ちぐはぐに思われること。

  辞書的意味をそのままとらえるとネガティブなイメージに捉えがちですが、全P連はこの意味をもう少し広くとらえていて「気になる、ひっかかる、なんかおかしい」と伝えています。
 この違和感ですが、ごくありふれた言葉で日常で当たり前に感じていると思われたのではないかと思います。僕も一日の中でおそらく何度も感じています。ですが、どうでしょう?その違和感のほとんどをすぐに忘れてしまっていませんか?それは当然の無意識の行動でもあり、大小あれどすべての違和感を考え、解決していたら本来やるべき行動が出来なくなってしまうでしょう。生活するための優先順位に直結するものでなければ、とりあえず記憶に片隅に置くか、忘れてしまうか、です。

 日々の中でちょっと気になったこと、ひっかかったこと、もしあなたが子供の頃だったら言葉に出して誰かに伝えていたこともあるかも知れません。「あそこに花が咲いているよ。」「空が真っ赤だよ。」「あのおばさんなんであんなにお化粧が濃いの?」とか。しかし、大人はそのように考えること、ましてや他人に共有することを憚ります。それはこの違和感が今の自分にとって取るに足らないことだと判断してしまうからです。取るに足らないこと、別の表現で「さもない」という言葉もあります。

【然もない(さもない)】
それほどでもない。たいしたことはない。「然もないことだ」

 全P連のメンバーはこの然もないことをとても大切にしています。振り返ると、この然もないことをPOPや売り方を通じ多くの共有をしてきたことが、お客様から面白さの共感を得てきた理由の一つだと一回りして気づいた次第です。その為の違和感。ただ、僕らが人一倍違和感に敏感で、かつその捉え方も独特だった所はあるかも知れません。それも、感じた違和感の積み重ねのなせる業です。。

 前置きが長くなりました。ここでお伝えしたい点はどんな違和感も然もないではなく、然もありなんとして捉えましょうよ。そこにはなにかしらの発見や気づきが生まれます。ひとつひとつは然もないことから生まれた小さなことですが、その積み重ねは人生を豊かにする大きなことです。人にその然もない違和感も話してみましょう。そこからコミュニケーションが拡がるかも知れません。それは相手の共感を得たことでもあります。僕のいた小売りの世界においてはこの共感を得ることが「商品に興味を持って頂ける」に繋がっていたのです。

■でも「違和感」ってなかなか難しいんです

  簡単に「違和感を意識してみると良いよ」と発言してみましたが、実はそれがしにくいのが現代でもあります。僕は講座講演で違和感について話す時にいつも問いかけるのが「皆さんは今日この会場に来るまでの道にどんな花が咲いていて、どんな形の石が転がっていて、どんな人がいた等を今思い出せますか?」。そんなの意識してないから覚えているはずがない。果たしてそれだけの理由でそう言い切れるでしょうか。僕はスマホの普及がその原因の一旦であると考えます。

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 ほとんどの方が今はスマートフォンを持っています。そしてあらゆる場所でその画面を覗き込んでいる。思い返してみてください。電車の中。座っている人の半数以上がスマホをいじっていませんか。通勤通学の電車の中であればその割合はもっと多く感じます。昔は新聞や本、漫画を読んでいる人が多かったんですけどね。この様な状況下では芸能人が車内で気づかれにくくなったらしいです。現に以前目の前に某有名芸人が立っていましたが僕以外は誰も気づいていない様でした。

 スマートフォン利用時間についてのデータがあるので紹介します。2018年のものですが、1年位で増えることはあれど大幅に減っていることはないでしょう。

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 ※引用:ニールセンデジタル 2019/3/16ニュースより

 1日約3時間のスマホ利用。どう感じましたか?24時間の内起きている時間を16時間とし、働いている時間を8時間、残りの8時間の内の3時間と考えるとかなりの割合ですよね。そう考えると、スマホがない頃にはもっと世界に向けられていた目が半分近く画面に奪われています。そりゃ、違和感にふれる機会も減っている訳です。

■「違和感」の思考でもっと面白くなる、はず

 全P連の自己紹介でも書いていますが、ここで言っている「面白い」は単純に笑えるだけでなく、気づく、ためになる、発見するといった心が震えることに繋がる様子です。違和感を感じることで自分の中の面白いは増えますし、共有し共感されることで面白いを与えることもできます。その違和感の機会が減ってしまっていることで面白いが生まれないのは本当にもったいなく思います。以下は先ほどのスマホに関する記事ですが、ここでの失うものの一つはまさにこれが当たるでしょう。

スマホを見る平均時間は全世帯で1に3時間以上...一茂、「何を失うか考えた方が良い」
https://trendnews.yahoo.co.jp/archives/596020/

 僕も生活必需品で手元から話すことはできません。それでも意識して世の中を面白がるようにしています。違和感を面白がるくらいの心持でいいんです。  

 以上、普段講演講座でお伝えしている違和感について書いてきましたが、全P連は違和感の思考をさらに3つのフェーズに分けてそれをどう発想やアウトプットに活用していくかに繋げています。違和感って単純に感じるだけじゃないんです。後半ではその3つのフェーズについてお話ししてみます。


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