【映画所感】 サンクスギビング ※ネタバレ注意
アメリカの感謝祭=サンクスギビング(11月の第4木曜日)に起こった悲劇。翌年、さらなる惨劇となってよみがえる
惨劇の引き金となった、郊外の大型商業施設での暴動事件。
脳みそ筋肉なバカップル高校生。
ブラックフライデーの大売り出しを血眼の形相で待ちわびる、欲望むき出しの消費者たちを煽りに煽る。
結果、全員が消費者から暴徒へと豹変。すべてが取り返しのつかないことに。
冒頭のこの阿鼻叫喚を見られただけで、十分幸せな気分に浸れる。
スクリーンで繰り広げられるトラジェディは、いつしかコメディへと正常進化。
不謹慎は重々承知の上。しかしながら、ついついニヤけてしまう。
このスタンスは物語が進み、死体が増えていったとしても変わらず、一定のレベルをキープしつづける。
レーティングがR-18なのは伊達じゃない。
グロくてゴアな殺人が繰り返される。
清教徒“ジョン・カーヴァー”の仮面を被り、恐怖の晩餐を企画していく犯人は、いったい誰なのか…
前置きはこのくらいにして、ここからが本題。
本編中盤、ブリティッシュ・ハードロックに人生を狂わされた者ならば、聞き捨てならないやり取りが出てくる。
感謝祭のパーティー会場を訪れた中坊たち。
「このパーティーは、入場料に見合うだけのものなの?」
問われた主催者の先輩は、このように応える。
「ものごとには、時に予想もしなかった結果をもたらすことがある。1979年、ブラック・サバスはオジー・オズボーンを解雇した。誰もがブラック・サバスは終わったと思ったよ。そこへ小人がやってきた。このエルフは、ロニー・ジェイムス・ディオ。彼はあっという間に、バンドに魔法をかけてしまった」
すかさず、中坊が質問する。
「ブラック・サバスって何?」
「とっとと帰れ、童貞ども!」
メタルをこよなく愛する先輩は、ラップやヒップ・ホップにうつつを抜かす小わっぱどもに容赦ない言葉を浴びせかけるのだった。
※あくまで想像。上記のやり取りも、うろ覚えのニュアンスですので、あしからず。
こんな気の利いたセリフを聞かされた日にゃあ、もう作品に100万点挙げてもいいくらいだ。
年の瀬に最高の気分で、劇場をあとにできた。
ロニーに思いを馳せているのは、多分自分だけだろうけど…
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来年も映画好きのメタラーという立場を崩すことなく、noteにお世話になるつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。
では皆さま、良いお年を。