4つの認知バイアス〜あなたを踊らしている正体とは〜
前回の記事でも書いた通り、今回は「認知バイアス」について。
聞きなれない言葉だとは思いますが、
結構身の回りに溢れてるんですね。
そして、私たちは常にこの「認知バイアス」に
踊らされている、ということに気づくのです。
今回の動画はこちら。
このお姉さん、ケバケバしい人かと思ったら、
むちゃくちゃわかりやすくて、テンポも良くて、
かなり聴きやすかったです。
スペイン語わかればおすすめ。
思考のエラー、それが認知バイアス
人は思考するときに、2つのシステムに基づいて
思考を働かせています。
1つが
即座に、直感的に、感情的に
思考を働かせている。
例を当ててみましょう。
「フランスの首都は〜?」
「パリ!」
「何人兄弟?」
「4人」
「人を殺してもいいの?」
「だめ」
こんな感じで、あんまり考えずに回答できる、
物事を判断できる、ということを言います。
名前をつけるとしたら、「直感的思考」と言いましょうか。
もう1つが
ゆっくりと、熟慮され、論理的に
思考を働かせています。
「17×15は?」
「・・・・255・・・?」
「〇〇君の案、どう思う?」
「・・・いいと思うけど、△△さんが言ってた案もいいよね」
「これ、すごく安いんだけど、購入すべきなのかな」
「なんで定数には再代入はできなくて、変数にはできるの?」
こんな感じのことですね。
直感的には回答出せないですよね。
回答を出すにはよく考える必要があるし、物事によっては、
検証したり、論理に基づかないといけない。
いうならば、「論理的思考」でしょうか。
しかし、人間は思考をするとき、時々エラーを起こすのです。
基本的で統計学的に間違いを犯したり、
記憶が誤っていたり(虚偽記憶)、
つまり、思い込みをして、正しいと思っていたことが
実はエラーであった、誤りであったということ。
このことを「認知バイアス」と言います。
では具体的にどういう現象が
認知バイアスに当り、それをマーケティングに
利用している事例を紹介したいと思います。
アンカリング効果
一言で言うと、印象が強い情報に釣りあがってしまうこと。
提示された情報、受け止めた情報が強く印象に残ってしまい、
その後の意思決定に影響を及ぼし、
冷静に判断をするには十分な情報が必要になり、その場合に、
断片的な情報を重視せざるを得なくなると言うことです。
(あくまでヒトの心理的傾向)
思い当たる節はありますか?
ビデオの例で見てみましょう。
①8000€のTV と3000€のTVが同じメーカーから発売されています。
性能も見た目もほぼほぼ一緒です。
どっちを買いますか?
「8000€は高いので、3000€のTVかな。」
②500m以上高い木は存在するか?
「500m、結構高いなぁ・・・。500m・・・。」
③「500€のワインと150€のワイン、どっちをご注文になりますか?」
(500€は高いなぁ)「じゃあ150€の方で」
これらの例でわかるのは、
みなさん、高い数字に吊られてません? ってこと。
②は500mと言う数字を与えられたので、
これ以上思考がStopしてしまうと言うことですが、
①③に関しては、高い値段と安い値段を二つ提示しています。
今、「高い」と「安い」と言いましたが、
別によく考えると、3000€のTVも150€のワインも
安くはないですよね??(一般庶民なのですみません)
つまり、一つの印象的な数字を出されることによって、
それが頭に強く残ってしまい、もう片方が「better」に見える、
と言う錯覚を脳に起こさせているのです。
売る側の意図としては、
買い手を無意識にさせる ことなのです。
amazonでも良くみますよね?
こう言うやつ。
すごく割引率が高い商品。それも結構長い間。
「50%OFF!?限定みたいだし、安くなってるみたいだから、
早く買わないと・・・・。ポチっ。」
バンドワゴン効果
Wikipediaによると
バンドワゴン効果(バンドワゴンこうか、英: bandwagon effect)とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。
要約すると、みんなが選んでるんだから良いでしょ!と言う思考です。
ものを購入するとき、何かを決定するときなど、
前提として、一般的な意見を重視するかと思います。
その時にあればその意思決定に役立つものが、多数の意見。
(Amazonにて)「買おうかな〜。でも不安だな〜。
そうだ、レビューを見てみよう。
いっぱいレビューあるじゃん!しかも結構良さげ。
よし、ポチった!」
「〇〇って観光地行こうよ〜」
「とりあえずTripAdviser見てみない?」
「うーん、あんまりレビューないね。やめとこうか」
ここで言いたいのは、多数の意見が意思決定に
影響を及ぼして、それがどんどん広がっていく、と言うこと。
みんなが乗っかってるから、乗っかろう。
そう、炎上も一種のバンドワゴン効果です。
政治もそう。みんなが投票してるから、投票しよう、とか。
これも思い当たりますよね?
フレーミング効果
これは同じことを表現するために、違う表現を使って、
受け手の受け止め方を変える、と言うこと。
例を見てみましょう。
①1個33%OFFのハーゲンダッツ。
②2個買えば、1個フリーのハーゲンダッツ。
みなさんはどっちを買いますか?
私なら、2個買って、3個持って買えれる方を選びます。
お得感ありますよね?
ですが、根本的には一緒なのです。
(今回の例は若干誤差がありますが)
別に33%OFFを買おうが、2個+1個フリーだろうが変わりません。
しかし、「2個買ったら、1個タダですよ!」
と言われると、買わないと!と言う義務感、感じません?
このビデオで言ってました。
マーケティングはあなたに何もプレゼントなんてしない。
お得!ラッキー!とかではなく、
単に戦略に踊らされていると言うことです。
他に、人間って%に弱いと思うんです。
私も、〇〇%割とか言われても、電卓叩きますから・・・。
さて、%に関して質問です。
どっちの大学に入りたいですか?
①90%の就職率達成!
②10%の就職不成功立
90%の方が良さそうですね。
が、どっちとも、同じ情報ですよね。
ただ、言い方を変えただけ。
単純に、%では瞬時に判断をし損なってしまうため、
全く同じ情報でも、基本的には「ポジティブ」な情報を提示するのがベター。
マーケティングでは常識ですが、
これって、上司とか会社の人など、説得する場面でも使えますよね。
おとり効果
これも結構騙される(言い方悪いですが)やつです。
早速例を。(ビデオに沿って出していきます)
The Economistと言う雑誌の定期購読ページです。
オプションが2つあります。
①サブスク オンラインでの購読 60$/年
②サブスク オンラインと冊子お届け 125$/年
普通に①ですよね。
結果はこうです。
少しながらも、冊子の方にも定期購読した人はいますが、
普通に判断したら、オンラインだけですよね。
値段もまぁ、安いし。
はい、これはあくまでユーザーの視点です。
ここからは売り側の視点。
本当は125$のサブスクを登録してほしい、
と言うのは本望ですよね。
値段と中身を変えずに、どうやって、
冊子とオンラインの定期購読を増やしていくのか?
ここで「おとり効果」が登場します。
売りたいのは2つのうち、1つの商品です。
そこで、3つ目のオプションを用意します。
③サブスク 冊子定価配達 125$/年
さて、どうでしょうか。
②サブスク オンラインと冊子お届け 125$/年がマシに見えてきましたよね。
結果はこう。
②のサブスク オンラインと冊子お届け 125$/年が
2つのオプションの時は32%に対し、
3つにオプションを増やすと、84%まで上がってます。
①のサブスク オンラインでの購読 60$/年は逆に落ちてますね。
③のサブスク 冊子定価配達 125$/年なんて、
ユーザー側から見て、全くお得感なし。
同じ125$払うなら、オンラインと冊子がいいよね!
と言う結論に至ります。
はい、本当の賢いユーザーならお気づきだとは思いますが、
オンラインも冊子も同じ内容ですよね?
よく考えると、オンラインだけで十分。
ですが、認知バイアスを利用すると、
②がぐっと伸びたように、効果を発揮するわけです。
③の最悪なケースを見せて、まさにおとり作戦!
もちろん、The Economistだけではありませんよ。
Netflixがこちら。
Wordpressがこちら。
他にも色々、身の回りには囮作戦がはびこっていて、
いつ私たちも引っかかるかわかりませんよね?
とまぁ、以上になりますが、どうですか?
結構皆さん、認知バイアス、起こしてませんか?
と言うか無意識の間に起こってますよね。
はい、まだまだ、実際のマーケティングで用いられている
「認知バイアス」はあるので、次の記事で
紹介していきたいと思います。
それでは。
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