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ロバート・アルトマン監督『ショート・カッツ』全てが繋がっていく群像劇



<作品情報>

群像劇を得意としてきたロバート・アルトマン監督がレイモンド・カーバーの短編小説をもとに数々のエピソードを描く。息子が交通事故に遭い、悲しみに打ちひしがれる夫婦の物語を筆頭に、様々な事件がオムニバス風に展開。ロサンゼルスの郊外を舞台に、20人以上に及ぶ登場人物が織り成すひとつひとつのエピソードは他のエピソードと絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへと向かう。

1994年製作/189分/アメリカ
原題:Short Cuts
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1994年10月8日

https://eiga.com/movie/14591/

<作品評価>

65点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆

<短評>

おいしい水
長い!ロバート・アルトマンはあまり合わないかもしれません。物語がどうこうというよりも長くて飽きてしまいました。
10組の夫婦を断片的に描き、微妙に重なっていくという脚本はすごいと思います。しかもジャック・レモン、ジュリアン・ムーア、フランシス・マクドーマンドなど主役級のキャストで。
その中でも目を惹くのはやはりジュリアン・ムーアです。医者の妻で画家というユニークな設定を魅力的に演じています。
3時間の長尺で微妙に重なっていく人間模様を描ききった手腕は評価に値しますが、僕はあまり好きにはなれなかったです。
でも最後のシークエンスはよかったかな…これのための前振りだと思えば悪くはないのかもしれません。突然の狂気と地震、本当にPTAの『マグノリア』ってこれに相当影響受けてそうです。群像劇で言えば『マグノリア』の方が僕は好きです。

吉原
ロバート・アルトマンが製作した3時間の群像劇だが、人々が絡み合う様を至近距離から見せられているというよりはこの映画に存在する世界全体を遠くから見せられてるという印象です。
登場人物たちはそれぞれの人生を生きていますが、彼らは知らず知らずのうちに触れ合っているという構図。全ての人物の運命が明確な一点に収束するわけではないので「全体」という表現を使ったが、観てみるとこの意味がわかると思います。
幸せそうな人が突然、不幸に見舞われたり、幸せそうではない人が何気ないことで幸せになったりもする人生の何気ない瞬間こそアルトマンが描きたかったものなのかもしれませんね…
結構好き好きが別れる映画ではあると思いますが、個人的には割と好きな部類でした。ただ長すぎるという感想も否めません。

<おわりに>

 かなり長い作品ですが、まるでパズルのような群像劇が見事です。構造が非常に面白い作品でした。

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