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クリント・イーストウッド監督『グラン・トリノ』古き良きアメリカとその終焉
<作品情報>
アカデミー作品賞受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」以来4年ぶりとなるクリント・イーストウッド監督・主演作。朝鮮戦争の従軍経験を持つ元自動車工ウォルト・コワルスキーは、妻に先立たれ、愛車“グラン・トリノ”や愛犬と孤独に暮らすだけの日々を送っていた。そんな彼の隣家にモン族の少年タオの一家が越してくる。ある事件をきっかけにして心を通わせ始めたウォルトとタオだったが、タオを仲間に引き入れようとする不良グループが2人の関係を脅かし始め……。
2008年製作/117分/アメリカ
原題または英題:Gran Torino
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2009年4月25日
<作品評価>
75点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆
<短評>
おいしい水
うーん、やっぱりイーストウッドは合わないです。イーストウッド最高傑作という人が多いヒューマンドラマですが、イマイチ感動しきれなかったです。
もちろんすごく上手いとは思います。古き良きアメリカを象徴するようなコワルスキーという老人が図らずもモン族の少年を守ることになるという物語です。手垢がつきまくっているようなストーリーなのにイーストウッドの超一級の演出手腕が冴え感動的な作品に仕上がっています。
それを否定する気はないですし、この年になっても新しいことに挑戦するイーストウッドは素晴らしいです。非常によく出来た作品ですし、コワルスキーという人物の内面を見事に描写しています。
しかしながら乗りきれないのは何故でしょう。隙がなさすぎるのかもしれません。物語としては感動的なものの、突出して優れた点が見出せなかったです。演出にしろ物語にしろ。
非常によく出来た作品であることは否定しようがないですが、あまりに隙がなく突出した点も見出せず、自分の中で特別な作品にはならなかったです。
吉原
年齢を問わず広く知られたイーストウッド監督作品といえば本作ではないでしょうか。黄色人種も黒人も嫌いな老人が黄色人種のコミュニティと交わることで、多くのことを教え、多くのことを教わり、互いに成長していくストーリーが本作が世代を問わず愛される理由でしょう。
公開当時既に80を手前にしていたイーストウッドの味わい深い演技が魅力の一作です。
<おわりに>
イーストウッドの最高傑作とも言われる人気の高い作品です。
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