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アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『ブンミおじさんの森』森で起こった奇妙な出来事
<作品情報>
「トロピカル・マラティ」で国際的に高く評価されたタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が、カンヌ映画祭でタイ映画に初のパルムドールをもたらしたファンタジー・ドラマ。タイの山間で暮らす余命わずかなブンミは、自分の農園に妻の妹ジェンを呼び寄せる。すると、19年前にこの世を去ったブンミの妻の霊が現れ、さらに行方不明の息子も姿を変えて現われる。やがて、ブンミは彼らとともに深い森へ入っていく。
2010年製作/114分/G/イギリス・タイ・ドイツ・フランス・スペイン合作
原題:Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2011年3月5日
<作品評価>
55点(100点満点)
オススメ度 ★☆☆☆☆
<短評>
おいしい水
どアートな映画でそれ自体は悪くないんですが、今の自分にはあまり刺さらなかったです。
過去現在未来、人間と動物の境を曖昧にしていくというテーマは理解できました。幽霊なのに物理的に触ることができたり、猿が着ぐるみであることが露骨に示されたりして絶えず揺さぶってきます。
映画館で見たら没入感があるのかもしれないです。どこかでまたやっていたら観に行こうと思います。
吉原
正直なところ、この映画が何を伝えようとしているのか、理解できた部分と理解できなかった部分が自分でもわからないような不思議な作品でした。ただ、「死」や「業(カルマ)」について描かれている作品であることは、なんとなく理解できました。
特に印象に残っているのは、ブンミと妻の妹、そしてその息子が夕食をとっている際に、どこからともなく幽霊がうっすらと現れるシーンや、ナマズとのセックスシーンです。映画全体が、2時間にわたって自然に身を委ね、超自然的な体験をするという、まさに「地球とのセックス」を感じさせるような作品でした。
この年のカンヌ映画祭で審査委員長を務めたのはティム・バートンだったようです。それを聞くと、この作品が受賞したことにも納得がいきます。ティム・バートンやギレルモ・デル・トロが描いてきたような独特の世界観が感じられる一方で、さらに宗教的で神聖な領域に踏み込んだような印象を受けました。怖い映画ではないのですが、なぜか画面に映る光景や存在に対して畏怖の念を抱いてしまいました。
非常にスローテンポな作品であり、内容が難解であることはある程度予想していたため、鑑賞中に眠くならないか心配でしたが、寝起きに観たこともあり、全く眠気を感じることなく最後まで鑑賞できました。映像美が際立つ作品なので、劇場で再鑑賞したい作品です。
<おわりに>
超自然的な作風で知られるタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品です。オススメはできないですが不思議な魅力を持った作品です。
<私たちについて>
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