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センダン 邪気を払う木で罪人の首をかけられたり…。いとをかしな有毒な木

家の畑への道に落ちてくるこの実。

ころんとしてかわいい。

まだ熟す前なのかな?黄緑色でかたい実。ころんとしてる。どの木からなってるのかな?

これだ!

木ってほんとに違いわかんない。

この木っぽい。ほら。

めっちゃめちゃある。

たわわにこの実がなってる。こんなになってるのに食べられてないってことは人気がないのかな?まずい?毒?

ちょっと…割ってみるか。ヨウシュヤマゴボウの件もあるからな。ちょっと怖いんだけど...。

踏んでぐりぐりっと…

ほぼ種。

ほとんど…種だな。うすーく白いしゃりっとした感じの果実がある。

食べられるところが少ないから食べないのかも。

匂いはっと。

甘い!甘いぞ!いい匂い!!!

お~~。あれだ。嗅いだことがある。でもなかなか思い出せない。リンゴじゃないし、なしじゃないし…

洋ナシ!洋ナシだ!それっぽい匂いがする!!!最後に食べたのいつだろな。

食えそうなんだよなぁ。でもヨウシュヤマゴボウの件もあるしなぁ。調べてからにしよう。

ごつめのはっぱ。

葉っぱはこんな感じ。優しめギザギザ。けっこう分厚い。濃ーい緑色。

紅葉はしないのかな?これから?

幹はこんな感じ。これが鑑別に役に立つか分からんけど、松とかとは違うよね。よくある木って感じするけど…


近くで見てみるけど…

木、むずいな。縦にちょっとねじれてがさがさがあるのは特徴なのかな?

あと木の高さは大体10mぐらい。

さて、食べられるやつなのかどうか!?

調べまーーーす!!!


あれ…この子も毒…??

果実は有毒!注意!!

もう自分の鼻が信用ならない笑
果実毒か~。いい匂いがしたと思ったんだけど…。

サポニンってのが含まれていて、犬なら5~6個、子どもだと10個いかないぐらいたべちゃうと死んじゃうんだって。そんなに食べなくても中毒に。

ちなみに鳥は食べれるよ。

自分達の身の回りの植物に毒をもってるやつって意外と多いんだな。

漁業に魚毒として使われる

昔の人はほんとよく知っていて、この毒を漁業に活用していたんだって。

センダンの樹皮なんかを使って、川に流すと、下の方の魚が毒で浮いてくるからそれを捕るっていう漁法。

すげぇ。

毒でもあるけど薬にもなる!

さっきの樹皮は生薬で苦楝皮(くれんぴ)とよばれ、寄生虫なんかの虫下しとして煎液を内服したりしていた。

そのほか実は 生薬の苦楝子(くれんし)といって、実を乾燥させたもので鎮痛薬として使えるんだとか。あかぎれやしもやけに外用して、整腸薬、鎮痛剤として煎じて内服したんだって。

葉は虫よけにもなるとのこと。

毒にも薬にもなるんやね。


名前の由来

枝先で鈴なりになってる様子が、数珠がたくさんあるように見えるため「千珠」。それが変化してセンダンとなった説。または、千団子祭の団子になぞらえたとする説があるみたい。

ここで千団子をみたけど、たしかに似てるかも。

5月~6月に花が咲き、たいていは高い場所に咲くため観察しにくく、「雲見草」という別名もあるとか。

ほかにもアフチ、オオチ、オウチ、アミノキなどの別名がある。

万葉集に登場!!

そしてこのセンダン。平安時代、清少納言により『枕草子』のなかで詠まれている!

”木のさまにくげなれど、楝(あふち センダンのこと)の花いとをかし。かれがれにさま 異に咲きて、かならず五月五日にあふもをかし”

訳:木の様子は不格好だが、楝の花は、とてもおもしろい。  必ず五月五日に合わせて咲くのも、おもしろい。

不格好と言われる木の形は、枝が横に大きく被さるように出るので、日陰をたくさんつくり、今は街路樹としてのいい感じの木になってる。

清少納言は紫色が好きで、センダンの花も好きな花のひとつだったそう。花束にもしたんだとか。

日本の伝統色に、楝色ってのがあり、センダンの花を由来とする薄い青紫色のなんだそう。襲の色目にも使われているとか。

けっこう好きな色。

5月5日に必ず花を咲かすわけじゃないんだけど、それぐらいに花は咲かせて、五月五日の節句の日に菖蒲や蓬(よもぎ)と共に飾られ、邪気を払うものとして用いられてた。

そんなセンダンだけど(だから?)、同じく平安時代の後期には…

生首をかける木として忌み嫌われる

なんとまぁ…。

平安時代後期の『平家物語』では、壇ノ浦の戦いで捕えられて斬られた平宗盛・平清宗の父子が京都三条河原で生首をかけられた木として登場。

そして江戸時代頃まで、獄門になった罪人の首を架ける木として忌み嫌われたとのこと。

それは嫌われそう…。

それもこれも、邪気を払う木とされていたからなのでは?ともいわれてるけど、生首かける木ってのはちょっとやだよね。

材木にも!

そんなセンダンは、植栽してから20~30年で木材としての利用が可能な材として注目されてる。日本の熊本県天草市では、中山間地域にある耕作放棄地の活用策として植林されているんだって。

天草行ったんだけどな…。そのころはなーんも関心なかったや。

材は建築・器具用材、家具にもなり、下駄の材や、仏像彫刻に使われたこともあるとか。琵琶の胴になったりもするんだって。

ミンディ材と書かれているのはこのセンダンのこと。

また、核(種子)は数珠の珠になるんだとか。飾りにも使われてたよ。


センダンまとめ

いやはやもりだくさんのセンダン。はじめての木の観察だったけど、木もおもしろいな。これから木の観察も増えそう。

それにしても毒かぁ。いい匂いがするのものでも口にするのは絶対やめよ。いかに自分の鼻があてにならんか分かった。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました!読んでいただけた方にはもう明らかだとは思いますが、私は植物に関してはほとんど何も知しりません。タンポポがわかったり、オオイヌノフグリを知ってるのを自慢できるぐらいです。
この自然観察日誌のnoteは、そんな自然無知の自分が、最近自然を観察することのおもしろさに気づいたことをきっかけに、その日心に留まったものを観察し、少し調べたものを記録したものです。
誤りもあるかもしれません。その時はぜひやさしく教えてください。


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