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短歌

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最新を含めた短歌のみをまとめています。
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#今日の短歌

短歌  香り立つ

香り立つ
香りに誘われるように
金木犀のそこかしこから

湯煙も
金木犀の花香り
そぞろ歩きす修善寺の秋

10/19(土)

短歌  満月も

満月も
朧なるかな松虫の
響き籠めたる金木犀の

水の面に
落ちて転がる鈴の音の
夜はいつまで聴けるだろうか

10/17(木)

短歌  新しき

新しき
リネンのシャツを羽織る瞬間
清々しさと秋も一緒に

新品タグは      
紙幣と交換出来るもの
出来ないものを纏っていたい

10/15(火)

短歌  ぎっくりを

ぎっくりを
庇いながらの作業でも
やらねばならぬで出る馬鹿力

どこからか
ネジが一本落ちていて
どこか自分を見ている気する

10/13(日)

短歌  着るつもり

着るつもり
の楽しみまでが引き出しに
ひっそり眠っていた夏だった

まだあるを
確認されるためだけに
何年いるの服の孤島に

10/11(金)

短歌  熱抜けて

熱抜けて
身体に余白残したか  
遠くいる人胸に訪れ    

会いたいと
顔が浮かんで昨日より
肌着と布団と一枚増える   

10/9(水)

短歌  合唱を

合唱を
離れて一人試すよう
昨夜と同じ場にいる松虫

姿さえ
見つけられない声の主
それでも明日も逢いたい生命

10/7(月)

短歌  膨らんだ

膨らんだ
蕾を土に忍ばせて
茗荷の花は嫋やかな女性

落花生
鍋でことこと茹でている 
上る湯気から土の香りの

10/5(土)

短歌  携帯を

携帯を
拾って持ってまた眠り  
背中下からアラームが鳴る

寝る前に
忘れぬように打ち込んだ
はずの文章はずない顔文字

10/3(木)

短歌  夕飯を

夕飯を
パスタにするかご飯かで
生まれる歌の変わる気がする

かけすぎた
醤油のような優しさで  
駄目にするのはただ口惜しい  

9/29(日)

短歌  堕とされる

堕とされる
ほどの甘いはいらなくて
青き蜜柑に爪入れる時

ためらいを
愛した人が消してゆく
ブルーグレイとモーヴの夕暮れ

9/27(金)

短歌  デジタルの

デジタルの
気温の数字が日にちより
低い時計の今朝の逆転

縛られて
いた熱気から解かれて
秋の大気を吸い込んでいる

9/25(水)

短歌  草を引く

草を引く
私の身体と触れるたび
バジルの香りが立って漂う

草をすく    
庭へと風が訪れて
通り抜けてくレモンバームを

9/23(月)

短歌  紅白の

紅白の
彼岸の花が咲き初めて
大地に流れる
血潮を見ている

曼珠沙華
わたしのこころにひらくのは
あやまれなかった   
あなたへの花

9/21(土)