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短歌

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最新を含めた短歌のみをまとめています。
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2024年9月の記事一覧

短歌  夕飯を

夕飯を
パスタにするかご飯かで
生まれる歌の変わる気がする

かけすぎた
醤油のような優しさで  
駄目にするのはただ口惜しい  

9/29(日)

短歌  堕とされる

堕とされる
ほどの甘いはいらなくて
青き蜜柑に爪入れる時

ためらいを
愛した人が消してゆく
ブルーグレイとモーヴの夕暮れ

9/27(金)

短歌  デジタルの

デジタルの
気温の数字が日にちより
低い時計の今朝の逆転

縛られて
いた熱気から解かれて
秋の大気を吸い込んでいる

9/25(水)

短歌  草を引く

草を引く
私の身体と触れるたび
バジルの香りが立って漂う

草をすく    
庭へと風が訪れて
通り抜けてくレモンバームを

9/23(月)

短歌  紅白の

紅白の
彼岸の花が咲き初めて
大地に流れる
血潮を見ている

曼珠沙華
わたしのこころにひらくのは
あやまれなかった   
あなたへの花

9/21(土)

短歌  水彩の

水彩の
夏薄れゆく水色に
溶けることなく咲く百日紅

風に揺れ
群れる薄の黄金色
雲は秋へと流されながら

9/19(木)

短歌  共有で

共有で
瞬時に伝わる断片は
過ごした時間を転送しない

一枚の
同じ写真に写りつつ
人毎ファイルで分かれる人生

9/17(火)

短歌  先読みで

先読みで   
滑りこんだか閉じこもる
蚊の一匹がずっと気になる

隙あらば       
羽音近付き払えども
取り逃してはかゆみが増える

9/15(日)

短歌  手の中に

手の中に
包む豊水ずっしりと
川の流れは干上がりながら

うり坊が
顔を隠して並んでる
無花果見ては思い出す人

9/13(金)

短歌  我慢して

我慢して
黙っていたけど赤ワイン
飲み過ぎたから話せた言葉

酔い冷めて       
ゼンマイ切れたオルゴール
一人の部屋でただ箱になる

9/11(水)

短歌  寄り添えば

寄り添えば
鈴の響きに満たされて
秋の豊かさ食のみならず

ふたりなら   
拾えぬ音が近付いて  
独りで過ごす豊潤の時

9/9(月)

短歌  電話越し

電話越し
『電車代なら出すからさ』   
あなたのくれた余裕の余韻

親子だから
あなたがそこにいればいい
たとえこちらを向いてなくても

9/7(土)

七・八月の短歌他選&自選

noteを始めてからまだ一ヶ月余りですが、
自分でも見にくくなってきたので、
皆さんにスキを頂きました中で多かったものから順に、八首+自選二首をまとめてみました。
正確には
一度に二首あげておりますので、どちらかの歌の方に頂いたものなのかもしれませんが、
作った時は同じなのでそのままここにまとめました。

拙歌です…が
ご覧下さってありがとうございます。9/6(金)

寝つかれず
起きる毎日今日だ

もっとみる

短歌  今日の気分

今日の気分
落とし物してト短調
転調出来ずに直行帰宅

使わずに
いたから使って無くしては
探しものして時間を使う

9/5(木)