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草創肇希
2021年5月28日 10:43
フィクションですので、お気になさらず。 昔私は、リストカットをした。 その時、私は自身の血が透き通っていた事を初めて知った。 私の血は赤色ではなく透明だった。 金剛石みたいなヘンな虹色の輝きなんて無くて、ただただ透き通っていた。清水が太陽を含んだ時の純粋さにも似ていた。 それまで私は、私自身の血の色を知らなかった。 他の子の前で膝を擦りむいた時、誰か解りたくない人間に殴られ
2021年5月16日 23:45
私が住んでいる場所の近くには公園があって、その公園の中心に大きな樹が生えている。 彼はいわば公園の主。彼は大きく葉っぱを広げて、「此処は私のものだぞー」って毎日飽きる事なくアピールしているので、偶に私が彼の話を聞きに行ってあげている。 だって樹の根本の草達はまるで聞く耳を持たず、風に靡いてサワサワしてるだけだし、鳥だって放浪人の名に恥じない適当ぶりで、まるで誰にも相手にされないのは寂しいか