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ブランドの見た目についてまとめてみた。事例付き🏷 「ブランド構築のA to Zeシリーズ パート6」
ZeBrandは、あなたのビジョンが多くの人に知られるに値し、実現されるべきだと信じています。この「ブランド構築のA to Zeシリーズ」では、あなたのビジネスをパワーアップさせ、成長を加速させるツールとして、ブランディングを活用するためのお手伝いをします。
「ブランド構築のA to Zeシリーズ」のパート6へようこそ。
(パート5を見逃した方は、こちらからご覧ください!)
ビジュアル・アイデンティティのはじまり:ロゴとカラー
これまでのシリーズをご覧になった方は、ブランドパーパス(目的)とそれを支えるビジネスモデルをお持ちだと思います。また、顧客とどのような感情的なつながりを作りたいのか、そして、顧客の心や生活の中でブランドをどのように位置づけたいのか、というブランド・ポジショニングも少しずつ明確になってきたことでしょう。
これらの項目がすべて定まった今、あなたのブランドを世の中にアピールしていく準備が整ったはずです。
ビジュアル・アイデンティティとは、ブランドの「見た目」のことで、ブランドの目的を目に見える形で具体化するためのものです。ビジュアル・アイデンティティを定義するそれぞれの要素は整合性があり、一貫性があり、バランスが取れている必要があります。それらの要素は、ビジョン、ミッション、バリューなどのあなたのビジネスの本質を強化するために連動して定められなければなりません。
この記事では、デザインの歴史が長く、知名度も高い2つの重要な要素、「ロゴ」と「カラー」について説明します。ロゴとカラーは、企業やその製品を示す最も伝統的なシンボルとして認識されていますが、ブランド要素の中では最も重要なものというわけではありません。
実際、より多くのブランドがシームレスな体験を作り上げる中で、タイポグラフィーや写真といった見過ごされがちな要素が、ブランド認知に貢献しているのです。しかし、ロゴとカラーを理解することは、ビジュアル・アイデンティティを支える原則を理解するための良い出発点となります。次回は、タイポグラフィー、写真、イメージなどの要素について深く掘り下げていきますので、そちらも是非ご覧ください。
ロゴ
まず、ロゴについてです。ロゴは、社名やブランド名と並んでブランドを最もよく認識する部分かもしれません。
飛行機の窓際の席に座ったとき、尾翼のマークで出発を待つすべての航空会社を識別したことがあるのではないでしょうか?もしくは、子供の頃、親の車の後部座席に座って、走っている車のメーカーを当てたことがありませんか?このように、ロゴマークは最も視認性が高く、長期的に記憶に残りやすいものであることが多いのです。
ロゴは、大きく以下の2つに分類されるか、またはその両方を兼ね備えています。
ワードマーク
ワードマークは、企業名をスタイリッシュに、よりわかりやすく書き表したものです。
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Band-AidやGap、Kleenexが例として挙げられます。JetBlueなどの航空会社も、ワードマークを使っています。ワードマークをデザインするには、デザイナーは既存の書体(あらかじめ様式化された文字のセット)を変更したり、ゼロから文字を作成したりすることがあります。
ワードマークの利点は、すぐに読み取ることができ、コミュニケーションが非常に簡単であることです。これは、企業が認知度を高める必要があり、特定のシンボルの意味について消費者を教育する時間がない場合に特に有益です(スタートアップ企業のほとんどがワードマークでスタートするのにはこういった理由があります)。
ワードマークは多くの表現を秘めています。ワードマークが何を伝えるかは、タイポグラフィー、つまり文字のスタイルに大きく依存します。書体によっては、威厳やクラシックさ、豪華さを感じさせるものもあれば、現代的でウィットに富み、最先端を行くものもあります。バーバリーが象徴的でクラシックなワードマークから、合理的でミニマルな書体を使った新しいワードマークへと移行したとき、多くの人がバーバリーのブランドの魅力と歴史を失ったと感じたそうです。しかし、これはロゴにとってタイポグラフィーがいかに重要であるかを示していると言えるのではないでしょうか。タイポグラフィーの重要性は、次回の記事で詳しくご紹介します。
ロゴマーク
ワードマークの次に多いのが、ロゴマークです。ロゴマークは、ブランドを象徴する絵のようなシンボルです。
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フェラーリのような高性能車といえば、跳ね馬のマークが思い浮かびます。また、スニーカーを買うとき、棚から真っ先に目に入るのはNikeのスウッシュです。車を運転していて、赤と黄色の貝殻の写真が目に入ったら、すぐにガソリンスタンドと判ります。
このようなシンボルに認知度と意味を持たせるためには時間と投資が必要です。しかし、そうすることで真に象徴的な存在となることが多いのです。
ロゴマークの世界には、ブランドのストーリーを表現するのに最適な数多くのクリエイティブな選択肢があります。例えば、カンタス航空のカンガルーのように、抽象的でありながら、オーストラリアのスピリットを伝えるもの、あるいは、ポルシェのクレスト(エンブレム)のように、ディテールやクラフト感を加えたイラスト的なデザインも可能です。また、MTVのように様式化された特徴的な方法で文字を含むこともできます。このように抽象的でありながら、ある特定の感情やアイデアを伝えることができるのです。
ロゴは屋外の看板からソーシャルメディアのアイコンまで、さまざまな場所に表示されます。そのため、ワードマークとロゴマークを組み合わせて使用しているブランドをよく見かけるのではないでしょうか?ワードマークは看板や名刺のようなコミュニケーション性の高い場面で使用し、ロゴマークはアプリのアイコンのような小さなスペースでブランドを表現する効率的な略記法です。例えば、Microsoftはスタイル化されたワードマークと、実際のウィンドウを抽象的に描いたWindowsのロゴマークを組み合わせて構成されています。
カラー
色もまた、ブランドを強く印象づける要素のひとつです。世界のどこにいても、スターバックスのエメラルドグリーンを見ていると、どこか故郷にいるような気がしてくるものです。大切な人に指輪を贈るとき、ティファニーの象徴であるブルーを基調としたボックスがあれば、新しい人生のスタートを切ることができるはずです。そして、さらに気品をアピールしたいことがあるときはクリスチャン・ルブタンの赤い靴底が、そのシグナルを発しているかもしれません。このように、色はブランドにとって重要な要素であり、多くの企業が独自のカラーをトレードマークにしています。
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しかし、色の価値は所有権にとどまりません。人々は文化的に、異なる色に対してある種の反応をするように仕向けられています。このように、色はそれ自体がコミュニケーションになり得るのです。
バンク・オブ・アメリカやシティバンク、アリアンツ、チューリッヒなどの大企業は、青色が冷静さ、安定性、信頼性を表していることをずいぶん前に発見しています。同様に、KFC、バーガーキング、マクドナルドなどは、スピード感や食欲をそそる赤色を採用しています。緑色は、自然環境と一体化しようとする気持ちを表しています。黄色はエネルギー、活力、喜びを表し、白は純粋さ、黒は高級感を表しています。しかし、これらの意味は文化によって変化することがあるので注意が必要です。アジアでは、白は死や精神世界を意味し、赤は富や豪華さを表現するために黒よりもよく使われます。
ブランディングという言葉を聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは、ロゴとカラーではないでしょうか。今世紀の最も象徴的なブランドは、遠くからでも認識できる特徴的なシンボルと商標登録された色によってできています。しかし、イノベーションとエクスペリエンス・ブランディングの新時代に突入した今、効果的なビジュアル・アイデンティティを構築するためには、他の視覚的要素も重要な役割を果たすようになりました。次回の「ブランド構築のA to Zeシリーズ」では、これらの要素に注目します。
※本記事は"The Beginnings of Visual Identity"という英語記事を翻訳したものとなります。
「ブランド構築のA to Zeシリーズ」は、ブランディングによって顧客を惹きつけ、ビジネスを成長させることを目的とし、ブランディングのすべてを全10回にわたってお届けします。パート7に続きます。