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「マーベルズ」「ウィッシュ」が全米で大コケ、世界の映画トレンドに変化の予兆

天下のディズニーも、いよいよ正念場か。

記事タイトルの通りですがMCU作品である「マーベルズ」に続き、先日全米で公開されたディズニーアニメ最新作「ウィッシュ」もスタートダッシュに失敗。
なんと、公開2週目である「ハンガー・ゲーム」シリーズの前日譚「ハンガー・ゲーム0」、巨匠リドリー・スコット×名優ホアキン・フェニックスのコンビで描いた「ナポレオン」の後塵を拝し、初登場3位。

2週目は先日の記事でも話題にしたビヨンセの映画「Renaissance:AFilmbyBeyonce」「ゴジラ‐1.0」、ライバルであるドリームワークスのアニメーション映画「トロールズ・バンド・トゥギャザー」に抜かれ、5位にランクダウン。
作品評価が高く粘り強い推移が特徴のディズニー映画とは思えない急落っぷりである。

2023年もそろそろ終盤ですが、アメリカでの映画興行年間1位は「バービー」
ベスト5の中に入った作品の中でディズニーが関わっているのは、4位のMCU「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOL.3」のみ。

2022年は「ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー」「ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」の2作、2021年は「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」「シャン・チー:テン・リングスの伝説」「ブラック・ウィドウ」の3作だったため、年を追うごとに順調に減ってきている。

ちなみに、最盛期の2019年は年間1位から9位まですべてディズニー絡みの作品だったというね。
そう考えると、今がいかに凋落した状態かがわかるでしょう。

最近はエンタメ関連のニュースなんかでもスーパーヒーロー疲れというワードが入った記事が目に入ることがありますが、もっと広く言うとディズニー疲れがあるんでしょうね。

具体的にいうと、シリーズものや実写化、社会的意義を込めすぎた意識の高い作品に対しての疲弊ですね。
MCUについてはディズニープラスでドラマが配信されることも増えてきて、もはやディズニープラス会員でないとついていけない展開が常態化してきました。
映画だけでも30作品以上あるのに、連ドラまで観るなんて相当時間のある人じゃないと無理でしょう。
で、正直30作品も観てるとシンプルにこちらも飽きてくるんですよ。
多分、「アベンジャーズ:エンドゲーム」(2019)か「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021)で脱落した人、死ぬほどいるだろうし。

で、映画の設定にまで影響し始めている強過ぎるテーマ性もマイナスの影響を及ぼして始めているように思えます。

「マーベルズ」は女性ヒーロー大集合モノ、「ウィッシュ」は民衆のことを思うヒロインが国を守る、的なストーリーが展開されるわけですが。
観客は、もっと単純なエンタメが観たくなってきたんじゃないかなぁ。

ディズニーが近年次々と公開していた名作アニメの実写化も弾切れ感があるし、観客側も飽きてきている感じがあります。
今年公開された「リトル・マーメイド」なんてその最たるもの。
人種差別を意識した設定変更でヘイトを集めた上に、興行的にも世界全体で見ると「美女と野獣」(2016)の半分以下ですからね。

ここ7、8年は強い女性を登場人物に入れたり人種の隔たりないキャスティングが意識されてきましたが、最早それは当たり前のこととなりつつあります。素晴らしいことですね。

今年、世界興行で1位だった「バービー」のようにこれまでより更に一歩踏み込んで男女平等を描いたような尖った作品か、2位の「スーパーマリオブラザーズ・ザ・ムービー」のように娯楽に振り切った楽しい作品の方が、作品の間口が広く多くの人に観られやすい。
世界の映画トレンドも、シリーズものではなく新作映画にシフトしていくんじゃないでしょうか。

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