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B'zの「イチブトゼンブ」は世の中の真理を突いた曲かもしれない
この曲も発売から12年かと思うと、時の流れというのは恐ろしいものである。
当時、自転車で近所のCDショップにシングルを買いに行ったな。
B'zとしては久々のヒット曲となったはずなのに、ライブでの出番が多すぎるあまりガチファンからはあまり人気がない(気がする)。
けど、個人的にはめちゃくちゃ好きな曲である。
まず、曲のタイトルが面白い。
当然「一部と全部」のカタカナ表記なわけですが、
これは「アラクレ」(荒くれ)や
「愛のバクダン」(爆弾)等、堅苦しい言葉や物騒な単語を
記号的にする際に稲葉がよく使う手法。
「一部と全部」ではなく「イチブトゼンブ」にすることでキャッチーになり、聴く人の耳にスッと入ってくる。
サウンド面では打ち込み音から始まるイージーリスニングのようにシンプルなイントロ、わかりやすくキャッチーな歌メロが印象的。
ギターもドラムもガンガン鳴っているのになぜか瑞々しさが詰まっている。
おそらくは世間が思い描く全盛期のB’zっぽい楽曲だろう。
本楽曲はバスケ選手が主人公の月9ドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」の主題歌として書き下ろされ、松本は「試合のシーンにもラブストーリーにも合う曲を作って欲しい」という無茶振りをされたそうだ。
そのリクエストに答え、狙ってこの曲を生み出せるのはやはり天才。
曲に呼応するように、稲葉も歌詞で名言を連発。
アナタは私のほんのイチブしか知らない
という出だしの歌詞はインパクト抜群でツカミとしてはバッチリ。
90年代半ばは「万能の君の幻」を作り上げて街をさまよったり、好きでたまらない人に「嫌いだ」やら「いなくなってしまえ」やら散々のたまっていた稲葉が、
すべて知るのは到底無理
愛し抜けるポイントがひとつあればいいのに
…とっても丸くなりました。
歌詞全体のテーマは「完璧を求め過ぎず、最初に好きになったポイントを忘れないように」ということ。
ギターソロ後の
君にしかわからないこと 僕だけが見えていること どれもホントのこと
という部分は一見当たり前のように思えるが、誰もが必死に生きてる中では忘れがちなことであると思う。
出てくる単語や表現を含め、性別や年代を問わない普遍的な内容が終始貫かれている。
ある意味、世の中の真理を突いた曲と言えるのかもしれない。