やっぱ少年漫画の王道は中二病だよ。Netflixオリジナルアニメ「スプリガン」感想
いやー、気持ちの良い中二病を見せてもらった。
あの傑作漫画「スプリガン」が、Netflixで待望の連続アニメ化。これには、スプリガン世代後期の僕も両手をあげて喜びましたよ。
原作が大好きだったんですけど、アニメはかなり忠実に映像化されていて。嬉しかったですね。
STORY
はるか超古代、現代を遥かに上回る科学力を持つ文明が存在した。
ある遺跡から発掘された金属板に、その超古代文明の人々からの警告が記されていた。
「我々の残した遺産を、悪しき者より守れ」と。
そのメッセージに従い、特殊組織「アーカム」は、彼らの遺産(オーパーツ)をあらゆる権力から守り、封印するチームを結成。
アーカムのトップエージェントは「スプリガン」と呼ばれていた。
本作は、アーカムのスプリガンの一人である御神苗優の戦いを描く。
これぞ「中二病」の正解
「スプリガン」って、とにかくキャラ造形が中二染みてるのが良いんですよ…褒めてるんですよ?これ。
まず、主人公の御神苗優ですが。
本業は高校生(16歳)でありながら超古代文明の遺跡を守護する特殊機関「アーカム」のトップクラスエージェント。
任務のため出席日数が足りず常に留年の危機に瀕しているが、本人は学校生活を大切にしている。ちなみに、交通手段はバイク。
優は幼い頃にアメリカ軍に拉致され、兵士 として徹底した洗脳、特殊教育訓練を施されていた。
そのため、自我を失うと”狂戦士(バーサーカー)”と化して全ての敵を殺害してしまう…
ほら、もう中二設定てんこ盛りでしょ?笑
僕も中学生の頃本気出したら自分はバーサーカーになれると思ってましたからね。
他にも、獣人「ライカンスロープ」の子孫で通常の状態でも人間離れした基礎能力を誇り、自分の血を見ると理性を失って獣人化し身体能力が更にアップするという特性を持つ優のライバルであるジャン・ジャックモンド、中国武術と気功の達人で世界最高の異名をとる優の師匠・朧(おぼろ)など、これでもかと言わんばかりの厨二設定をぶち込んだキャラクターが大勢登場。
ジャンに至ってはフランス人イケメンで銀髪をポニーテールにしてますからね。
こんなもんイケメン限定どころか三次元でやったら刺殺されるレベルですよ。
でもね、正直こういうキャラ設定がたまらなく良いんです。
やっぱ、我々は少年漫画でこういう夢を見たいんです。
大人ぶってたり現実的な設定なんてクソ喰らえ。
中二設定のキャラクターも恥ずかしい台詞回しも、ここまで真正面から正々堂々とやられたら降参するしかない。だってカッコ良いんだもん。
結局、ベタで恥ずかしいっていう感情ってその設定にみんなが憧れているからこそ出てくるものなわけで。
男子は「スプリガン」のことが細胞レベルで好きなんですよ。本能に争うな。
スピード感ある作画&1話完結が見やすい
個人的に、アクション要素の強いアニメって見やすさがとても大切だと思っていて。
その点、本作は非常にうまくできています。
まず作画。
2D作画と3DCGを融合させたことが本作の売りですが、3DCGがうまく2Dと調和している印象。
3D作画ってどうしても取ってつけたような印象になりがちなんですが、馴染ませ方がうまいです。
アクションのスピード感もスプリガン達の身体能力の高さは再現しつつ、目で追えないような無茶苦茶な演出になっていない点が高ポイント。
絵柄が原作に忠実なことも原作ファンとしては嬉しいです。
そして、1話40分で完結するのも良いです。
通常の30分アニメの1.5倍ぐらいの尺感とただ入れ替わる登場人物がオムニバス的で見易く、飽きない。
気付いたら次の話が始まっていて、一気に全話観ちゃう人も多いんじゃないだろうか。
まあ、例えば「鬼滅の刃」のような傑作かと言われると悩むところですが、十分楽しめる出来の佳作ではあると思います。
終盤は次シーズンへの布石もありましたが、原作がすべて映像化されることを願います。