運命じゃなかった人。
「この人と結婚するんじゃないかな」
そう思える人と出会ったけど、実際にはそうならなかった。
世の中には、そんな人も多いんじゃないかと思う。
僕は生涯で2回、「この人と結婚するかも」と思ったことがある。
20歳の時と、26歳の時。
でも、どちらも運命の人じゃなかった。
彼女たちは今、僕じゃない人と幸せな日々を送っている。
…まあ、本当にそうかどうかはわからないぐらい疎遠になってしまったけど。
テレビドラマで、よく「当て馬」的なポジションの人がいる。いわゆる恋のライバル的なポジション。
「花より男子」の小栗旬、「やまとなでしこ」の東幹久、「オー!マイ・ボス」の間宮祥太朗なんかがそうだ。
主人公にとって”運命の相手”ではなかった彼らは、今どんな人生を歩んでいるんだろう。
映像で描写されることはないけど、ちゃんと幸せに生きているんだろうか。
昔付き合ってた人にとって「運命の人」じゃなかった僕は、今もふわりふわりと漂うように生きている。
もしかしたら、彼らも同じような思いをこじらせて生きているかもしれない。
現実でもドラマでも、大抵の人は「運命の人」の方しか見ていない。
「運命じゃなかった」方は、やがて忘れられてしまうのだ。
でも、現実には世の中の人の大半が「じゃない方」なんだと思う。
最初に好きになった人や付き合った人と結婚したという話を、僕は周りから聞いたことがない。
「じゃない方」の僕たちも、必死に生きている。
いつか、誰かにとっての「運命の人」になれるように。