「バチェロレッテ3」は、どうしてこうなってしまったのか
1人のハイスペ男性を複数人の女性で奪い合う人気恋愛リアリティショー「バチェラー」。
そして、「バチェラー」の男女関係を逆転させた「バチェロレッテ」。
この2作品で、視聴者が観たいものは何か?
僕は多分、奪い合いなんじゃないかと思う。
高嶺の花であるバチェラーや、バチェロレッテのパートナーに選ばれたい。
だからこそ、参加者たちは必死に自分の長所をアピールする。
時に激しく時に醜く、嫉妬や愛憎が渦巻く。
そして、その感情の絡れから不思議な絆や友情が生まれ、数多の名シーンが生み出されてきたのだ。
しかしながら、今回の「バチェロレッテ3」では参加者の感情の発露が中々見られない。
結果として、本来選ぶ側であるはずのバチェロレッテの武井亜樹さんが参加男性を追いかけるような雰囲気も出始めている。
今回の「バチェロレッテ」は、どうしてこうなってしまったのか。
じっくりと考えていきたい。
①実施期間の短さ
今回の「バチェロレッテ」は、旅の期間が1ヶ月であると言われている。
これまでのシリーズでは出演者から時折旅の期間が3ヶ月であることを示唆する言葉があった。
今回も同じく参加者男性が旅の期間について言及する場面があったが、確かに1ヶ月と話していた気がする。
制作費が削減されたのか参加者のスケジュールの都合なのかは分からないが、撮影期間が1/3になったことの影響は計り知れないと思う。
まず、シンプルに撮れ高がかなり減る。
通常の撮影スケジュールがどうなっているのか僕には知る術はないが、多分「何もしていない期間を減らして2ヶ月短縮しました」ってことはないだろう。
おそらく、バチェロレッテと参加者男性が話す時間もかなり減っているはず。
前2作と比べて参加男性の数がしれっと減っている(17名→15名)のはおそらくその影響もあるんでしょう。
そして、期間が短くなるというのはそれだけ感情が動くタイミングも減るということに他ならない。
②男子メンバーがハイスペ過ぎた
今回の「バチェロレッテ」に、高スペックの男性メンバーが非常に多いのはおそらく皆さん周知の事実でしょう。
過去シリーズでは、経営者や社長はいても1シーズンに1人か2人。
それが、今回は実業家3人(うち一人は兼内科医)、会社経営者1人、歯科医1人。これはもはやバチェラー側のスペック。
すげえ性格悪いこと言いますけど、前作まではこの番組で跳ねないと先がない人や、本気でバチェロレッテのパートナーにならないとマズい人も多かったはずなんですよ。
そんな参加者の熱が熱狂を生み出して、バチェロレッテへの恋愛感情や旅そのものが盛り上がった訳です。
ただ、今回の参加メンバーは違う。
旅から戻ったら、普通に可愛くてそこそこハイスペな女の子を捕まえそうな男ばっかり。
余裕があるし周りが見えちゃうから、どうしても一歩引いちゃうんですよね。
参加メンバーの中には、バチェロレッテ出演による売名目的の人もいるんでしょうけども。そういう人たちはファイナルローズまで勝ち上がりたくないから、自ずと気が引ける。
これで参加期間も短いとなると、そりゃ奪い合いは起きないわな。
③男性との距離感を保つバチェロレッテ・武井亜樹さん
今回バチェロレッテを務める武井亜樹さんは、一見して強い女性と分かる方です。
学歴・経歴をはじめとしたスペックはもちろんのこと、ファッションや立ち振る舞い、言動からもそれが凄く伝わってくる。
第1話の男性の自己紹介から既にボディタッチを避けていたり、イヤなものはイヤだと言う。
良く言えば媚びない、悪く言うと参加男性に寄り添おうとしないのが亜樹さんな訳です。
ただこれは、男性側としてはシンプルに盛り上がりに欠けちゃうというか。
ぶっちゃけ、ボディタッチのドキドキで恋愛モードに火が付くとかって絶対あるじゃないですか。このシリーズみたいな非日常なシチュエーションだったら猶更ですよね。
終盤に至るまで、バチェロレッテに対して敬語が抜けない参加者が多いのも従来ではあり得ない。
これは、亜樹さんが持つ男性との距離感と撮影期間の短さ両方が作用した結果でしょう。
ネットでは亜紀さんのルックスや性格を悪く言う声もありますけど、笑顔がすごくチャーミングだし発言の節々から頭の良さは伝わる。
個人的には、十分に魅力的な女性だと思います。
しかしながら、「バチェロレッテ」はあくまでTVショーですからね。
個人的には、もうちょっと男性側を盛り上げたり、親しくなろうとする姿勢があっても良かったんじゃないかなーと思ったり。
今回の「バチェロレッテ」は、上記3つの要素が重なってこれまでにない展開を迎えており、そのことがネット上でも賛否両論を呼んでいます。
ただ、同じような展開でもつまんないし、3作目でこういう変化球があってもいいんじゃないかなーとは思います。
確かに「バチェロレッテ」としては期待していた展開とは異なるかもしれませんが、これも恋愛リアリティーショーの新しい形かなと。
…若干、亜樹さんが不憫ではありますが。
後は、最終回次第かな。
すぐすぐ結婚とはいかなくても、亜樹さんと正面から向き合ってパートナーとして生きていく道を模索するような方が残ってくれると良いんですけどね。
※この記事は最終回配信前日に書いたものです。
第4話配信時までの感想はこちら。