”失恋”って、多分尊い
皆さんは最後に失恋した時のこと、覚えていますか?
「ついこの間だよバカ野郎。思い出させるな」って人もいれば、「もうしばらくそんな経験してないな」って人もいるでしょう。
30代半ばになって、僕はこう思っています。
”失恋”って尊いことだって。
最後の失恋はついこの間だ、という人には圧倒的に若年層の方が多いと思います。10~20代が中心で、残りの層はいいとこ30代が大半でしょう。
30代半ば以降の大半は、「しばらくそんな経験してないな」派のはず。
もちろん、40代以降の人は恋愛できなくなるって訳じゃない。
何歳になっても、「これが運命だ!」と思って大恋愛に発展することはあると思います。
ただ、絶対的な数は間違いなく減ってくるはずです。
何故なら年齢を重ねる程伴侶がいる方の数が多くなるし、無理な恋愛を避ける傾向が生まれるからです。
なぜ、年齢を重ねると無理な恋愛を避けるようになるのか。
僕が思う理由をまとめてみました。
①失恋によるダメージを避けるようになるから
失恋を繰り返すと、辛い思いをもうしたくないと思うようになる。
②時間がないから
結婚、出産、周囲との環境の差。
色々考えると、無理めな人に時間を使うのは勿体ない。
③出会いの主戦場がパーティやアプリになるから
最初からパートナー探しを前提とした場所で出会うことが多いので、うまくいく率が上がる。
④相手との単純接触の数が少ないから
同級生や職場での出会いではないことが多いので、接触する数が少ない。
その結果、思い入れも弱くなる。
⑤デートの段階でその後に繋がるかどうかがわかってしまうから
本格的に好きになる前、1回目や2回目のデートでどちらかが『この人とはない』と判断した場合、その時点で関係性が切れてしまうことが多い。
こういった要因により、一人の異性に対して恋焦がれて執着を持つということ自体が減っていく。
思い入れが少なくなると、必然的に失恋のダメージも軽くなる。
そもそも、感情が『好き』に至る前に終わってしまうことも増えるでしょう。
だから、しっかりした”失恋”って若い頃しか味わえないことが多い。
ある種、ちょっとした青春の象徴でもある訳です。
(もちろん、イレギュラーはあると思いますけどね)
今思い出しても、失恋って胸がキュッとなるものです。
一人の人を真剣に好きになって、自分とその人との楽しい時間や未来を思い描いて。
でも、その想いが叶うことがないと知ってしまった瞬間。
思い描いた時間や未来は、辛いものに変わってしまう。
あの時ああすれば、という後悔。自己嫌悪。
相手を憎む気持ちと、相反するような幸せになってほしいという気持ち。
悲しみ、羨望、嫉妬、切なさ、喜び。
そんなグチャグチャな感情の中、時間をかけてそこから立ち直っていく。
失恋したばっかの時はもちろんこんなこと考えていなかったけど。
今考えると、あんなに感情が右往左往するのって失恋したときぐらいのもんですよ。
それが、この年齢になるとひどく羨ましくなる時がある。
失恋って、悪いことばっかりじゃないですよ。
過ぎ去ったら、きっと良い思い出になる。
そもそも、まともな失恋のひとつもしたことない人なんて超薄っぺらいですよ。僕はそんな人と友達になれる気がしません。
”失恋”って、多分尊いものです。
時に、人を大きく成長させてくれるし。
失恋したばかりで落ち込んでいる人は、その感情の良いところに目を向けていきましょう。
もう失恋なんてしばらくしてないなって人は、たまにはそういう気持ちを思い出してみましょう。
あの頃の切なさや、瑞々しい感情を思い出すことができるかもしれません。