ファンが待ち望んでいた、本当の続編。「ゴーストバスターズ/アフターライフ」感想
数年前にやってた女性バージョンの存在は頭から抹消しましょう。
というわけで、今日の映画レビューは年末年始の休み中に観た「ゴーストバスターズ/アフターライフ」。
公開時に映画館に行けなかったのでNetflixで鑑賞したのですが、中々良い作品でした。
僕自身は、中学生とか高校生の時に一作目を観たきりのライトなファンでして。
「ゴーストバスターズ」と言えば、どっちかっていうと「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で子供達がコスプレしていたイメージの方が強いぐらい。
そんな予備知識少なめの僕でも、結構楽しめる出来の良い娯楽大作です。
『丁度良さ』が追求された脚本に拍手
この作品、何が優れているかって色んなことの丁度良さ。
痒いところに手が届きつつも、ファンサービスに走り過ぎていないバランス感が素晴らしいです。
オールドファンが多い作品の続編ほど、既存ファンへのサービスと新規ファンに向けたカットのバランスを取るのが難しくなります。
ここ最近の作品でそのあたりを一番上手くやっていたのは「トップガン マーヴェリック」ですが、本作はそれに続くぐらいバランスの取り方が上手かった。
「トップガン」はトム・クルーズの圧倒的なスター性の上に成り立ってる上、ストーリーがシンプルなのでバランスが取りやすいんですよね。
(もちろん、36年振りの続編って時点で大変ではあるんですが)
そういう意味で、「ゴーストバスターズ」はトップガン」よりもさらに難物。
まず、コメディなので前作のノリをそのまま持ってくるのが難しい。
コメディって一番時代性が反映されるジャンルですからね。
あとは、テーマ性の問題です。
第一作はどちらかというと気楽に見えるエンタメ全振りの快作でしたが、これが通用するのは一回だけ。
同じことを繰り返しても、一作目のパンチは絶対超えられない。
それが分かっているからこそ、一作目で主演を務めたビル・マーレイはずっと続投を拒んでいたわけです。
(まあ、彼の場合は続編が元々好きじゃない、というのもありそうですが)
製作陣は、悩みに悩んだでしょう。
そして、悩んでいる間に今度は一作目でメインキャストだったハロルド・ライミスが亡くなってしまう。
しかし、それでも諦めなかった制作チームは主要キャストの降板を逆手に取り失われた家族の絆を物語のキーポイントにするというウルトラCを披露。
結果として、良い意味で本シリーズらしくないエモーショナルさが付与された。
物語のメイン部分は若手キャスト中心なので、コメディ部分のノリは良い感じに今の時代に合わせてアップデート。
新キャストの年齢・性別のバランスも素晴らしいです。
主人公を演じたマッケナ・グレイスは、本作出演時の15歳の時点で映画出演20本弱という恐ろしい経歴の持ち主。
経歴に裏打ちされた存在感は、子どもなのにめちゃくちゃ華があります。
主人公の兄を演じたフィン・ウルフハードはメインキャストを務める「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でゴーストバスターズのコスプレをしてましたが、まさか本物になるとは。
もちろん狙ったキャスティングだと思いますが、知っていると嬉しいですね。
今回数少ない大人チームのキャリー・クーン、ポール・ラッドも良い味出してます。
旧キャストは出番少なめですが、亡くなったハロルドのアーカイブ映像も含めて勢揃い。
彼らがきちんと揃うだけで正統続編感が出るのは強い。
予備知識がなければ楽しめない部分も大いにありますが、そこはシリーズものなので致し方ない。
むしろ、わけわからん女性バージョンのせいで期待を裏切られたオールドファンのことも考えると、これぐらいがっつり前作と繋がるのが良いのかもしれない…これはちょっと肩入れし過ぎかな。
まあ、色々書きましたが程よくカタルシスもあって迫力ある映像も楽しめる、良くできたエンタメ作品だと思います。
今年公開される予定の続編も楽しみ。
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