back numberの「怪盗」がカッコ良すぎる問題
back numberは元々好きなバンドではあったんですよ。
でも、彼らの魅力ってキャッチーなメロディとウジウジした歌詞にこそあると思ってたんですよね。
「高嶺の花子さん」の主人公は"偶然とアブラカタブラ"の力に頼る他力本願男だし、「ヒロイン」では『意外と積もったね』というメール一通送れないし、「happy birthday」では自分にバースデイソング歌っちゃうしで。
名人芸のごとく完成された情けなさこそがback numberだ、と思っていたわけです。
そう、この「怪盗」を聴くまでは。
タイトル観たときは、どうせ"あの子に心を盗まれた"とか"君以外のものは全部盗めるのに"的な歌詞だと思ってたんですよ。
そしたら、出だしから
じゃあちょっと目を閉じて
僕の腕に掴まっておいてよ
君の笑顔 盗む奴から
君を盗むのさ
ですよ。
え、これ俺のハートも盗もうとしてない?
どこでこんなワイルドに変化しちゃったの?
ちょっと女子がギャップに弱い理由がわかりかけちゃったよ。
というか、僕も仕事に笑顔盗まれかけてるから盗まれたい。
という冗談は置いておいて。
ここから君を奪って
夜空を抜けて
宝石みたいな 街を飛び越えて
君が想像した事ないくらい
眩しい世界を見せてあげる
このやり過ぎなぐらい気まぐれロマンティックな歌詞もいいじゃない。
下二行のメロディへの歌詞の載せ方もすごいツボなんですよ。
なんかちょっとヌケ感あるというか、気だるげな感じというか。
この部分があるからこそ、やり過ぎ感がなくいいバランスのラブソングに仕上がっているんだと思います。
君と出会えた僕と
出会えなかった先の僕を比べて
論文にしたいとこだけど
この辺りは従来のback numberの回りくどさが残っていてこれはこれでいいんだけど。
その直後に
君は今日も明日も君のままでいていいんだよ
君がいれば僕に不可能なんか無い
ですよ。
ちょっとやり過ぎだよ。
でも、"君がいれば僕に不可能なんか無い"とか言われてえし、言いたいよね。
今まで清水さんがここまで何かを断言することなんてあっただろうか。
これ絶対カラオケで歌おう。ひとりで。