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昔の恋人に感謝を。

過去の恋愛は、人格形成において意外と重要な要素を占めていると思う。

24歳の頃、付き合っていた彼女に僕は毎日怒られていた。

お店を探さない、予約しない。
部屋を片付けない。
スケジュール管理が緩い。

彼女はすべてにおいて僕より細かくて、何かある度に揉めていた。
いや、揉めてはいないな。僕が一方的に怒られてただけか。

付き合っている当時は、それが本当に悩みの種で。
会うと毎回喧嘩するから、休日出勤になって会社行きたいなぁと思っていたぐらいだった。

彼女との日々は、2年半で終わりを告げた。
でも、その時に得たものは確かに自分の中に残っていて。

それ以来、お店は積極的に探して予約するようになったしスケジュールもある程度管理するようになった。
間違いなく女性受けは良くなったし、人間的にもしっかりした気がする。

考えてみれば、別に僕に良い影響を与えてくれたのはその人だけじゃない。
大学の頃付き合っていた子は、僕に「恋愛とはどういうものか」を教えてくれた。
かげかえのない思い出や綺麗な風景、忘れられない瞬間を共にした人、わかり合う難しさを教えてくれた人もいた。

その全てが今の僕を形作っているかと思うと、元カノ達には足を向けて寝られないという所存である。

もしかしたら、好きな人の前の恋人のことが気になってしまう人も世の中にはいるかもしれない。
自分が前の恋人の存在を超えられるのか、好きな人の中に前の恋人の存在が残っているんじゃないか。
そんなことを考えてしまうこと、きっとあると思う。

多分、人が前付き合っていた人のことを完全に忘れることはあり得ない。
100人も200人も付き合ってたら別だけど、それ以外で「元カノの顔も名前も完全に忘れちまったぜ!HAHAHA」みたいな海賊野郎に僕は出会ったことがない。

でも、僕は別にそれで良いんだと思う。
好きだった人の記憶は少しずつ薄れて、形を変えながら心の中に残り続ける。
それが、自分という人間を形作る一つの要素になっていくのだ。

だから「前の人の記憶を抹消してくれ」なんて考える必要はないし、自分の中から昔の恋人の存在を消す必要もないんだと思う。

今目の前にいる好きな人や自分自身は、出会ってきた人の影響を受けて成り立っているんだから。

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