祝・30周年。アラサー男子がGLAYを熱く語る
今年30周年を迎え、メディア露出が激増しているバンド・GLAY。
名前を知らない人はいないだろうけど、よく知っているという若者は少ないじゃないでしょうか。
今年35歳になる僕は、GLAYの全盛期を知る人の中では多分若年層寄り。
GLAYが前人未到の20万人ライブをぶっかました時、僕はまだ9歳でした。
それでも、当時のGLAYの勢いっていうのは本当にすごくて。
幼心ながらにすごい人達なんだということはしっかりインプットされていました。
でも、GLAYの本当にスゴいところって別にそういう記録や話題性じゃなくて。30年間愛され続ける音楽な訳ですよ。
僕は、あくまでライトなファンですけども。
30周年を期に久々にGLAYを聴いたので、その魅力を読んでくださっている方々に伝えたいと思います。
せっかくなので、とっつきやすくヒット曲の歌詞を中心にレビューしていきたいと思います。
GLAYを象徴するような一曲「HOWEVER」
はい、いきなりベタベタで申し訳ないんですけど。笑
まずは分かりやすいところから入ったほうが良いだろう、ということで。
「HOWEVER」はオリコンで5週連続1位を記録した、名実共にGLAYの代表曲。
まあ何がスゴいって、とにかく歌メロがめちゃくちゃ綺麗で、歌詞も王道ど真ん中なことです。
GLAYが出現するまで、ヴィジュアル系ってヤバい曲をヤバい声で歌う奴らって認識されていたと思うんですよね。
デスボ駆使してストーカーまがいの執着を歌う、的な。
でも、GLAYは日本人にめちゃくちゃ親しみやすい王道のメロディラインと歌詞でJ-POPに殴り込んできた。
まあ、これができるのは作詞作曲を手がけるTAKUROが天才だからなんですけど。
歌詞は未熟な若者が愛を知り、やがて愛する人と共に旅立つという凄まじく普遍的な内容。
いつの時代に聴いても共感できるし、飽きられることもない。
「HOWEVER」を筆頭に、こういう曲をたくさん創ってきた実績がGLAYが今も愛される所以なんだと思います。
ブレイクのきっかけとなった爽やかソング「グロリアス」
「HOWEVER」リリースの約2年前、GLAYブレイクのきっかけとなったのが「グロリアス」。
この曲で、GLAYは初めてオリコンチャートで週間TOP10入りを果たしました。
ギターの音色が青春の瑞々しさを瑞々しさを引き立てるこの曲も、当時のビジュアル系バンドの曲とは一線を画す出来栄え。
サビのこのフレーズもセンスに溢れている。
特に一行目、”恋に恋焦がれ恋に泣く”はそのまま映画のタイトルにでもできそうなぐらい綺麗なセンテンス。
この時点で、GLAYのブレイクは約束されていたものだったんだろうなと思います。
アルバム収録の隠れた名曲「都忘れ」
長年活躍するアーティストの特徴として、アルバムにもシングル級の名曲が入っていることが挙げられると思うんですよね。
そういった面で言うと、この曲もGLAYを語る上では欠かせない一曲。演歌みてえなタイトルなんですけど、GLAYの良いところが詰まってます。
まず、やっぱりメロディですよね。
キャッチーで、一発聴いただけでも耳にスッと入ってくる。
タイトルが演歌みたいって書きましたけど、メロディ自体もロックバンドというよりは歌謡曲っぽい親しみやすさがあります。
そして、受け手によって色んな捉え方ができる歌詞。ここがGLAYの歌詞の深いところ。
男女の恋愛のようにも思えるし、GLAYというバンドそのものを歌っているようにも思える。
「HOWEVER」しかり、こういう”人生”そのものを描いたスケールの大きい曲こそGLAYの真骨頂が発揮されるところなんですよね。
「誘惑」と「SOUL LOVE」、対極の名曲を作っちゃう天才・TAKURO
GLAYの代表曲と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、1998年にリリースされた「誘惑」。
この年のオリコン年間ランキングでも第1位を獲得しています。
というふんだんにルー大柴要素をブチ込んだ歌詞が冷静に聴くと面白いんですけど、こんなダサい歌詞をコテコテの歌謡ロックに載せて歌いこなしちゃってるのがスゴい。
当時のGLAYの勢いも相まってカッコよく聴こえちゃうもんね。
最後のサビの
に至っては全然意味わかんないけど、何がカッコ良いのでヨシ。
何がすごいって、この曲と同時にリリースした「SOUL LOVE」もミリオンセラーを記録、オリコン年間5位を獲得していること。
「誘惑」とは全然違う作風で、こちらはミディアムテンポの爽やかな楽曲。
1位が続くプレッシャーから解放されたくて2枚同時リリースにしたそうですが、2曲とも違うベクトルでめちゃくちゃ良い曲ってどういうことなんだよ。
ちなみに、僕は「SOUL LOVE」の方が全然好きです。
抽象的な歌詞が色んなシチュエーションにハマるし、自分が置かれている環境や状況によって色んな捉え方ができる曲なので。人生の色んな場面で聴きたくなるんですよ。
TAKUROは、直接的ではなく暗喩を使った表現がめちゃくちゃ上手いんですよね。
一夏の青春が詰め込まれた名曲「とまどい」
僕が人生で初めて買ったCDが、この「とまどい」なんですよね。
これ、めちゃくちゃ良い曲なんですよ(月並みな感想)。
なんというか、一夏の青春が全部詰め込まれたストーリー性のある楽曲なんです。
誰かのことを好きだった夏をふいに思い出すっていうシチュエーション、「とまどい」を乗り換えて成長していくというテーマ。
主人公の悩み、戸惑い、葛藤がメロディの起伏と合致して丁寧に描かれています。
曲全体の展開もとてもドラマチックで、いわゆJ-POPの王道構成からは大きく外れているんですけども。少しでもGLAYに興味があったら是非聴いてほしい一曲ですね。
出会い、別れを象徴する「Way of Difference」
2002年、少し勢いが落ちてきた頃にこういう曲を出せるのがやっぱ底力のあるバンドって感じがしますよね。
当時絶大な人気を誇った恋愛リアリティショー「あいのり」の主題歌。
番組の世界観に合わせ出会い別れの切なさ儚さを描いた本楽曲は、日本人好みのメロディを作り出し繊細な歌詞を紡ぐGLAYの得意分野にぴったり。
一歩間違うとノーイージーになりそうなのにギリギリ切なさを演出する範囲で収まっている計算され尽くしたギターサウンドに、TERUの掠れ気味のヴォーカルが映える。
GLAYにしかできない泣けるギターリフ、夏のバラード「夏音」
これまた、僕がGLAYの中でトップクラスに好きな曲です。
とにかく、ギターリフが泣けるんですよ。
ストリングスとかで泣かしにくるんじゃなくて、ギターの音色で泣かせにくるのがもうロックバンドって感じがしてほんと好き。
歌詞のテーマは、明らかに死別。
この時期悲恋モノの映画とかが流行ってたのでそういうのにインスパイアされたのかもしれないですが、TAKUROは元々こういうドラマチックなテイストの楽曲は得意なので親和性ありますね。
TERU作詞作曲のキラキラポップ!「BREEZE」
GLAYの楽曲は基本的にTAKUROが作詞作曲を手がけることが多いんですけど、この曲はシングル表題曲にも関わらず珍しく作詞作曲をボーカルのTERUが担当。
どこか憂いを帯びた曲が多いGLAYにしては珍しい、底抜けにポップでキラキラした楽曲はある種新境地。ドキャッチーなメロディも逆に新鮮。
TAKUROだけではなく、他のメンバーが作詞作曲を手がけることも増えつつあるのがGLAYの音楽性をどんどん拡張させています。
こんな感じで、90年代の全盛期を抜けた後も現在まで精力的にリリースを続けているGLAY。
彼らの本当に一番すごいところは、結成30年を迎えてもメンバー仲が良く、リリースペースが落ちないこと。
今に至るまで新曲を絶え間なくリリースし続け、ファンを喜ばせているのが素晴らしいと思います。
過去に、他のGLAYの楽曲レビューも書いてありますのでこの記事が面白かったという方は是非ご覧になってみてください。