6年間好きだった人が、僕と出席番号ひとつ違いの男子と結婚した話
タイトルで完結してる気もする。
僕は中学・高校の6年間同じ人が好きだった。
中高一貫の高校に通っていたので、思春期はずっと同じ人のことを想っていたことになる。
その子には中学の入学式で一目惚れしたんですが、明るくて周囲に気を使うすごくいい子だったからますます惹かれていった。
中学3年生の時はクラスが同じで、距離も近く。
土日とかは一日に100回ぐらいメールのやりとりをしてた気がする。
当時はまだガラケーしかなくて、メールのやりとりをするごとに件名に「Re:」が増えていくのが嬉しかったのを覚えている。
思えば、この頃に告白とかしてれば上手くいったのかもしれない。
けど、当時の僕はビビりだった。
フラれるのが怖かったし、中高一貫校のためやらかすと高校まで引きずるという不安もあった。
僕は、気持ちを伝えないまま中学の3年間を終えてしまった。
まだ高校の3年間がある。
当時の僕ははっきりそう考えていた。
ここでタイトルの伏線を回収するのかと思いきや、そうではない。
彼女とクラスが別々になった僕は、猛烈な勢いで太った。
そのせいもあり、女子とまともに話せなくなってしまったのである。
男子グループ内でのカーストはそこまで変わらなかったが、女子内での扱いは凄まじい勢いで落ちた。
まあ、今考えると女子側というよりは自分でもわかるぐらいの見た目の劣化に自信をなくして、自分から話しかけなくなったのもあるかもしれない。
そんなこともあり、僕は彼女と話すどころか高校3年間ほとんど女子と話すことなく学生生活を終えた。
そして、僕は大学生になった。
僕の通っていた高校では協定大学に指定校推薦で入る子が多く、8〜9割が同じ大学に進学する。
環境を変えたいと思った僕は、知り合いがほとんどいない部活に入った。
1年生の秋、部活主催のイベントのために普段行かないキャンパスに向かった時、僕は見てしまった。
高校の頃自分と出席番号一個違いだった男子が、僕が6年間好きだった彼女と歩いている姿を。
ちなみに、僕と出席番号一個違いの元同級生は文句のつけようがない爽やかイケメンの良いやつだ。
そんな彼が、大学に入ってさらに垢抜けた彼女と一緒に歩いていた。
僕は二人の姿を見るや否やすぐに物影に隠れた。
二人と仲が悪いわけじゃないので、目が合うと絶対話すことになるから。
自分ではもう過去の話にしているつもりだったのに、姿を見るとやっぱショックで。情けないなーと思った。
ほどなくして、その二人が付き合っていることを風の噂で知った。
というか、見れば雰囲気でわかったけど。
この出来事はもちろんショックではあったんですが、得たこともあって。
すごいベタだけどやらない後悔よりはやる後悔の方が良い、と思えるようになった。
自分に自信があろうとなかろうと、相手に気持ちを伝えたりやりたいことをやっておかないと絶対に後悔が残る。
僕は部活をやっていなかったので、明確な失敗とかショックを受けたことがなかったんですよね。
それを身をもって知ることができたので、この体験には感謝していたりします。
おかげで二人が25、26歳ぐらいに結婚(!)するときは素直にお祝いできたし、なんなら結婚祝いに中高の同級生が踊った恋ダンスを編集して渡すみたいな企画にもノリノリで参加した。
今考えたらタイムリーな話だなこれ。
今もきっと2人はどこかで仲良く暮らしているのだろう。
あ、子供できたらしいから3人か。
大変な世の中だけど、幸せに暮らしているといいな。
まあ、友達に2年前ぐらいに男の方が結婚式の二次会帰りに軽く浮気したって聞いたけど、それは別の話ということで。