フィナンシェに餡
札幌千秋庵、生ノースマンを皮切りに勢いづいている感がある。
CMリニューアル、「やわ餅」発売、そして昨日の「ゆきだるま」発売。ほんの少し前には、北海道新聞で社長のインタビューも掲載されていた。
北海道の菓子メーカーが元気なのは喜ばしいことである。
しかし”総本家”のほうに親しんできた者としては少しだけ複雑な気持ちが混じっているのが正直なところ。
もちろん経営戦略はそれぞれ違う。
例えば、大々的に人を呼び込むか、地元に根付き続けることを最優先にするか、といった違いなのかもしれない。知らんけど。
しかし同じ「千秋庵」という名を冠しているのに……という悔しさはどうしてもある。
なので、勝手に総本家の新商品を紹介します(案件お待ちしてます)(ちなみに影響力は無いです)。
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新商品:あんとバターの和フィナンシェ
発売日は12月6日。つまり今日である。
当日凸……我ながら、だいぶ張り切ってしまった。
この和フィナンシェは、「an`d an(あんど、餡) 」というシリーズの第2弾。
総本家のエースである自家製餡を西洋のエッセンスと掛け合わせ、新たな和洋菓子を作るのがコンセプトだそう。
フィナンシェは、元々「函館ふぃなんしぇ(プレーン・抹茶・アールグレイ)」と「七飯林檎フィナンシェ」の計4種類が販売されている(各230円)。
千秋庵総本家では珍しいこの純洋菓子に、満を持して自家製餡が投入されたのだ。
粒餡、小豆の風味が活きている。
外見から想像していたよりも中にぎっしり入っていた。餡の存在感をきちんと感じられるのが非常に嬉しい。
しかし、ただプレーン味に粒餡を突っ込んだわけではない。
これまでのフィナンシェとは違い、フランス産ゲランドの塩も使用しているのだ。
(20円アップで自家製餡とフランスの塩が入る……もしかして結構お得か?)
知ってるようで、その実態を知らないゲランドの塩。
調べてみたところ、100%天日乾燥で作られるためミネラル分が豊富で、甘みもわずかにあるという特徴があるらしい。
ほのかに甘みがある塩を使うことで、菓子との親和性を高めるという狙いだろうか。
バターたっぷりなしっとり生地を引き締めてくれる、小豆の深いコクと甘み。
アクセントとなりつつ甘みを引き立ててくれる、ゲランドの塩。
フィナンシェと餡が、こんなにも相性が良いなんて知らなかった。
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函館は「和洋折衷」という言葉で語られることもある。
「あんとバターの和フィナンシェ」は、そんな異国情緒あふれる街にぴったりだと言えよう。
札幌もいいけど、函館もね。