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卵はないけどオムレツ


「オムライス」と言われてまず頭に浮かぶのはチキンライスが卵に包まれた姿であり、世間的にもそうだろうと思っている。

しかし、「オムレツ」は各家庭によって意外とイメージが異なるのではないだろうか。


ちなみに私にとってのオムレツは、中に挽肉、みじん切りの玉ねぎとにんじん、1センチ角のじゃがいもが入っているのだけど、みんなはどう?



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これは母が作ってくれるオムレツであり、元レシピは小林カツ代さんの「母さんオムレツ」だ。

上記の材料を醤油とみりんで味付けし、片栗粉でとろみをつける。これを昔ながらの薄焼き卵で包んでできあがり。

材料といい甘じょっぱい味つけといい、子どもにも美味しく栄養を摂ってほしいという親心がこめられたレシピのように思えるし、母もそう思ってこのレシピで作り続けてくれたのかな、と勝手に想像して気持ちがほこほこするのだった。



実はこのフィリング、卵がなくても美味しい。

余ってしまって翌日にそれ単体で食べることもあったのだけど、それもまた楽しみの一つでもあった。一晩おいたことで味がより馴染んでいて、しかし優しい味つけなのでしょっぱさは感じない。チキンライスはチキンライスで成立しているのと同じように、これも独立したメニューとして成立すると思っている。



なので、作りました。


とろみのおかげでつややかなお姿


味と栄養価の他にもポイントがあって、それは一つひとつの材料が小さく、片栗粉によるまとまりがあること。食欲がなかったりお腹が本調子でなかったりしても食べられそうな雰囲気があるのだ。


過去に自分でも作ったことがあったような気もするが、だとしても今回はかなり久々。炒めているうちから実家で確かに嗅いだ香りが漂ってきて、それだけで多幸感に満ち溢れるのだった。


なんとしてもご飯のお供として成立させたいがあまり、材料がレシピよりも少なかったのに調味料は減らさず投入。その結果、私の記憶よりもややしょっぱくなってしまったが、白米はすすんだはず。そう、つまり想定通りの結果なのだ。ちょっぴり残念だなんて、思っていないんだから。


一方で不思議だったのは、咀嚼していくうちに卵の気配を感じたこと。

イチゴを食べたときにショートケーキがちらつくのと同じように、イメージが自然と結びついているのだろう。ということは、オムレツとして食べたことがないと得られない感覚である。なんだかちょっと得した気分(?)。



なにはともあれ、今後も作り続けていきたい。いつかは卵も使って、本当の「母さんオムレツ」を、母の味を再現したいものである。





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三谷乃亜
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