シチューはライスにかけますか?
固形ルーの二大巨頭はカレーとクリームシチューだと思うのだけど、色だけでなく食べかたも似て非なるのが面白い。
似ているものでいうと、カレーとハヤシライスのほうが親戚っぽさがある。いや、だからこそハヤシライスは二枚看板の1人になれなかったのか……?
しかし、ちょっと待てと仰るかたもいるだろう。”カレーとシチューは色こそほぼ正反対だけど食べかたは同じではないか”と。つまり、「シチューライス」としての在りかたである。
シチューをご飯にかけるか否か、という議論は昔から耳にしていて、しかし両者が歩み寄る雰囲気はいつまで経っても感じられない。
かくいう私も、シチューライスというものがあることを知っていながらも試したことはなかった。
やはり小さい頃にどう食べていたかが大きく影響するのだろうか。実家では当たり前のように深めのお椀によそられてきたし、給食でも温食として扱われていた。
ただ実のところ、実家に関して言うと父の分だけたまにオン・ザ・ライスの回もあった。しかし私はそれを見て「へえ」と思うだけで「私も!」とはならなかった。
シチューはシチューだけで完結していて、熱々濃厚とろーりが薄まってしまうような気がしたのだ。あとは単純に、白いものに白いものがかかった見た目にそこまでそそられなかったというのもある。
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そんな感じでシチューライスとは距離を取り続けていたのだけど、先日風向きが少し変わってきた。
きっかけは、つい先日購入した15年以上前に収録されたラジオのCD。そのなかで偶然シチューライスの話が繰り広げられていたのだけど、どうやら醤油をかけるという方法があるらしい。
それを聴いて、胸にストンと落ちた気がした。洋食のシチューと和食の主食である白米の橋渡しをしてくれそうではないか。
たった今、クリームドリアというクリーム×ご飯のザ・洋食があることを思い出してしまったけど、そこには大体チーズという塩気がプラスされているのであって、その役割も醤油が果たしてくれているに違いない(必死か)。
いずれにしても、俄然シチューライスを試してみたくなった。ぼちぼちシチューを欲する日も増えていきそうだし、いいタイミングで気になってラッキーだったな。これが夏場だったらどんどん後回しになって熱が冷めてしまっていたかもしれない。
そういえばシチューのルーってまだあったかな……とストックを見てみたのだけど、あったのはハヤシライスだけだった。調達してこなくちゃだわ。