ザ・ビートルズ '24 USアルバムの正体
ここ数年、11月に毎年新作をリリースしているバンド、ザ・ビートルズ。
半世紀以上前に解散しています。
今年は2024年11月22日に『ザ・ビートルズ:1964 US アルバムズ・イン・モノ - THE BEATLES : 1964 US ALBUMS IN MONO- 』という、バンドのアメリカ上陸60周年を記念した復刻版が発売になりました。
▼詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
今回わたしはMONOボックスのセットの購入は断念し、悩みに悩んで(現在も尚悩み中)、単品で購入できる6枚の中から1枚を選び、手に入れました。
『ア・ハード・デイズ・ナイト - オリジナル・モーション・ピクチャー・サウドトラック』です。
キャピトルレコードではなく、ユナイテッド・アーティスツから1964年6月26日にリリースされ、14週連続1位を獲得したというおばけアルバムです。👻
▼開封〜中身の紹介を動画にまとめています。ご興味があればご覧ください。
今回の "US Mono アルバムズ" の音源は、オリジナル・マスター・テープを使用しアナログ盤にカッティングされており、カッティングする時にもアナログの信号経路だけを使用するなど、オリジナル・アルバムの最初期のプレスの音を常に参照しながら作業を進めたと説明されています。
更にカッティングの全工程をアナログの機材で行うという徹底ぶりで、「オリジナルのテープに記録されているサウンドを忠実に表現した」と制作を担当したケヴィン・リーブス氏は語っています。
1987年にアメリカで初めてイギリス公式盤のアルバムがCDで発売された後、アメリカ盤LPは姿を消し、1995年以降は個別のアルバムとしては廃盤になっています。
ただ、キャピトルが好き勝手編集してくれたアメリカ盤は、ビーチ・ボーイズやスモーキー・ロビンソン、スティーヴィー・ワンダー、キャロル・キング、マーヴィン・ゲイ、そしてボブ・ディランがビートルズと出会ったアルバムたちで、公式アルバムに匹敵する影響力を持っていました。
そんなアメリカ盤を復活させるプロジェクトでもあった今回の "US Mono アルバムズ" の制作において使われたマスターテープは、その意図を尊重するため、アビイロード版ではなく、ファンからも悪評の高い(?)当時のキャピトルの重役デイヴ・デクスター氏による編集版が選ばれたということです。
このデクスター版のオリジナル素材が見つかったことで、私たちは「1964〜65年にアメリカのビートルズファンたちがどんなサウンドを聴いて彼らに熱狂していたのか」と言うことをリアルに体験できる素晴らしい機会を手に入れることになったと言えるでしょう。
デクスター氏は当時、「ビートルズの音楽なんていうのは5ドルの安物プレイヤーでレコードを聞くような子供にしか受け入れられないだろう」みたいな発言をしていたようですが、まさに、わたしは玩具のようなプレイヤーしか所持していないので、当時のキッズたちと同じサウンドを聞くことができているのではないか…!?と感動しています。
ビートルズのサウンドの熱狂的なファンの方の中には、このアメリカ盤オリジナルをお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。
あるいは、USオリジナルの復刻版のCD ボックスをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
それらの音源と聴き比べるのも楽しいでしょうし、毎度のことですが、「またリマスターやリミックスが出たよ…」と思っても、ビートルズの音源は無限の楽しみ方が出来るので、実質無料とまでは言えませんが、アナログ盤の知識の薄い自分でも手にするとそれなりに十分楽しめるな。。と思った次第です。
来年の今頃は、私たちは一体何のアルバムを手元に迎えているでしょうか。
きっと(やっと)ラバー・ソウル(ヘルプも??)ではないかと大いに期待していますが、その日に向けて今日からまたビートルズ貯蓄を始めたいと思います。