軒と縁側
最近立てられている家というのは軒が浅いですね。一つには、軒を深くするほどの土地が無いということがありそうです。敷地ギリギリまで家を建てるのであれば、軒を深くする余裕が無いということです。
もう一つは、防水機能が向上したことで屋根がフラット化し、そのデザイン性の結果から軒が短くなっているとも考えられます。
その反動か、バルコニーを思いっきり深くした家を見かけることもあります。この場合、肝心な1階にはまったく軒が無いケースばかりです。
軒が浅い場合に問題となるのは、直射日光の侵入です。実際に目の当たりにすると、けっこうまぶしいです。なのでカーテンなどを閉めることになります。そうすると開放感が削がれるので、やっぱり軒はあった方が良いと思います。
そして軒と表裏一体なのが縁側です。
家の内と外をぼかしながら接続する空間であり、そこには人が吸い寄せられる効果があったように思われます。その縁側も新築住宅で見かけることはありません。
軒と縁側がセットで得られなくなった今、パーゴラという洋風な場で、日光を防ぎつつ、社交の場を設けるのが良いのかもしれません。