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目川探偵事務所 The GORK 1部「沢父谷姫子の失踪」編

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#探偵

The GORK   1: 「S.O.S」

The GORK   1: 「S.O.S」

 身体は全く動かないのに、視聴覚器官だけはまだ生き残っていた。
 どうやら全身の神経の配線がズタズタになったらしい。
 が、いい事もある。
 これで痛覚が生きていたら、俺は痛みの無限地獄の真っ只中にいる筈だ。
 でもストレッチャーに乗せられて、見覚えのあるこの病院の緊急搬入口を見上げた瞬間、俺はマズイ!と思った。
 ここは、兄、宗一郎の息の掛かった私立大病院だった。
 普段でも俺は兄貴に引け目を感

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The GORK  2: 「学生街の喫茶店」

The GORK  2: 「学生街の喫茶店」

 2: 「学生街の喫茶店」

 ドアを押して入ると僕の頭上で、ガランゴロンと金属の空洞の中を、丸い玉が転げる音がした。
 ワックスと木の臭いのする店内は、やけに甘ったるい男性コーラスの歌声で満ちている。
 その発信源は、この店の一番奥にある派手なデコレーション付きの洗濯機の親玉みたいなものだった。
 確か「ジュークボックス」って言うんだ。
 僕は自分の頭の中に正解を見つけだし、ちょっといい気分で店

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The GORK  5: 「白いブーツの女の子」

The GORK  5: 「白いブーツの女の子」

5: 「白いブーツの女の子」

 沢父谷姫子の捜索は困難を極めていた。
 まるでこの世界から蒸発してしまったかのようだ。
 だから俺は回り道でも、あのDVDから沢父谷姫子の足取りを辿ろうとしていたのだ。
 そして失踪前の沢父谷を撮影した嘉門の居場所を突き止めた。

 その嘉門を歌舞伎錦町の路地裏で見つけ出したのは、いいものの、そこには思わぬ先客がいた。
 遠目では嘉門が「悪い女」に引っかかって絞り

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