人事評価は評価者より被評価者の意見を大切にせよ
「評価者からは
”一人ひとりの目標や期待を考えるのがちょっと負担”
という意見も出ていたのですが、被評価者からは
”自分が何を頑張ればいいかがわかってよかったです”、
”自分の立ち位置がわかってよかったです”
”上司としっかり話すことができてよかったです”
などの声も多く、すこぶる評判がよかったですね」
これは弊社で人事評価制度構築のご支援を
させていただいたクライアント様が
新制度を運用開始をした後でよくおっしゃるご意見・ご感想です。
さて、皆さんは冒頭のコメントを見て、
人事制度改革は成功したと思いますか?失敗だったと思いますか?
私としては、少なくとも現時点では
100%大成功だと言っても良いと思っています。
というのも、評価制度において重視すべきは
評価者からの意見というよりは被評価者側の意見だからです。
(ここを結構間違えてしまう組織も多い印象です)
上司のやりやすさ<<<部下の満足度(納得度)
というのは、評価制度に限らず組織運営・マネジメントの基本です。
上司側のやりやすさを優先してしまい、
部下側のパフォーマンスやモチベーションが下がる
というのは本末転倒ですよね。
ちなみに、釈迦に説法みたいな話で恐縮ですが
冒頭のコメントにあった
「部下にそれぞれ期待することを考えるのが大変」というのは、
厳しいことをいうと実は評価制度以前の話で、
部下に明確な期待をもっていない上司はマネジャーとして
仕事をしていないも同然になってしまいます。
ですからそこは、この評価制度を言い訳にして
部下に明確な期待を設定することに慣れていったほうが
マネジャーとして力量を伸ばしていくことができる
と考えたほうがよいでしょう。
※弊社の提唱する人事評価制度は部下を育てるための支援ツールであり、
マネジャーを育てるツールにもなっています。
ただ、そうはいっても上司側の負荷が大きすぎるようでは、
続かないというのも事実ですので、
評価項目数や項目の内容、評価する方の数の調整などを行い、
整えていくということも同時に考えるべきことではあると思います。
被評価者からの満足度が高いところは見逃さず
評価者の負担を減らしていく方法を考えていくという方向がよいでしょう。
色々な立場の方から色々なことを言われると、
担当者の方も心配になってしまうこともあると思いますので、
少しでもお役に立てればと思い今日は一つ
明確な基準をお示しさせていただきました。
制度を見直そうとなさっている方にとっても
参考になる内容かと思いますので、
これから作ろうとしている制度が
「誰にとってためになる内容か」を考えつつ
新制度に活かしていきたいですね!
人事コンサルタント
金森秀晃