【詩】いつかの春
いつかの春
夜の公園で
風が吹いて
木々がざわめいて
抱きしめられて
温かい手のひらと
耳に舞い降りる声と
行けるところまで行こう、って
そんなの嘘だと分かっていながら
出鱈目でも おとぎ話でも
かまわないと錯覚して
あれが永遠なら
その先の幸福なんてないのに
永遠であれと願ってしまって
ガラスの靴なんて履いてないから
十二時過ぎても魔法は解けないって
どこかで高をくくって
そしていつか
手放した
風が吹いて
木々がざわめいて
君に抱きしめられていた
いつかの春、夜の公園で
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