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涙を誘う喜劇

意味を1ミリも理解せず泣ける歌がある。何に感動しているか分からない。でも涙腺が反応する。ちょっと怖いけど、ほとんど条件反射だ。グレイテストショーマンの挿入歌はどの曲もそんな感じ。妙に癖になる。
本の趣味が似ているな、と思っていたづかっちさん。彼は家族に禁止されるほど再生したらしい。挿入歌について、熱く語っていた(『YouTube時代に「グレイテスト・ショーマン」から3曲を絞るのは無謀説 #スキな3曲を熱く語る』)。普段ミュージカルを見ない私が、神経から反射してしまう曲。とにかくたくさん聞いた。今回は、先の記事に参戦する形で、2曲をさらに熱くしてみようと思います。

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まず『This is me』。キアラさんの人生を乗せた歌声が、字幕の言葉を介さずとも伝わる。時に消え細り時に力強くなる天然の緩急が、こちらの心もぐわんぐわん揺さぶられる。人は自分が体験したことしか表現できないと、私の人生はこうだったと、その声で力強く握られた拳に圧倒される。サビに向かってコーラスが増えていく過程で、その握られた拳が花開く。天を仰ぐように周りの仲間を包み込む。この世で私たちが最強だ。誰にも止められない。そういう強さに変わっていく。やがて全員が同じメロディーを奏でる。色んな人の色んな境遇、色んな個性の色んな声を1つの大きな力の塊へと昇華させる。そしてラスト、それぞれが力強く噛み締める。これが私だ、と。


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『The greatest show』。冒頭の力強いコーラスと足踏みが、ショーの開幕を鋭く印象付ける。勇ましいコーラスを中央に、歯車の音や像の鳴き声も加わっていく。待ってろよと言わんばかりの目つきを感じる。徐々にメロディーが重なり最高潮に達し、辺りが静まり返る。皆様お待ちかね、と隊長の優雅な口元。爆発的なコーラス。静かにそして力強く、隊長は続ける。暗闇の中で汗水流して探し求めたこの時間。骨の髄に埋もれた痛みは無視できない。現実なんか忘れろ。争っている場合じゃない。熱い夢が近づいている、と。脱落者たちが今まさに目の前で、実現させた最高のショー。誰にも止められない情熱は、太陽のように激しく照り輝き、聞いてるこちら側を飲み込むようだ。

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結局、私自身の語りになってしまった。づかっちさんの“作品の中の熱い3曲”という選び方が面白くてつい参戦してしまった。私からもぜひぜひ聞いていただきたい、熱い3曲である(私はその中で2曲を紹介しています)。

☺︎ 本記事のインスピレーション

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