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架空小説「棗の日」3

架空小説「棗の日」から抜粋した言葉を綴っています。
今回はまとまりがない言葉でボツにしたいけど、それも面倒なので載せます。


「左目のほくろ」

世の中にコンプレックスが無い人なんていないんだろうなぁ。
今がどれだけ過去の理想の自分であっても理想を追い続けるんだろうなぁ。
きっとどこまで行っても何か足りないままなんだ。
それが自己愛だなんて思いもしないよな。


「ちくはぐ」

疲れや不安や悲しみや遣る瀬なさや痛みや自傷衝動なんかで、もう頭の中ぐっちゃぐちゃなのよ。
伝わるわけないでしょアンタなんかに。
あぁもう、上手く言葉も紡げない。
わたしという壮大な映画のワンシーンに過ぎないのよ、あれこれも。
あなたの事もね。


「不穏」

破滅願望に近いのかもね。
綺麗な貴女の血を浴びたい。
美しい貴女の血を啜りたい。
高潔な貴女に殺されたい。
美に塗れて殺しておくれよ君の手で。
そうしてやっと、私の人生が完成するから。


「宝物はなに?」

僕は家族に感謝しなければいけないことばかりさ。
だって、恵まれた人生を歩んでこれたから。
本当によかった。
だけれど、それと同時に家族という柵が苦手な自分がいる。
家族を重荷に感じてしまうんだ。
抜け出したいとさえ思う。
本当にありがとう。でも苦手なんだ。
大切にしなければいけない。でも嫌いなんだ。


「小さい背中」

わたしのことは誰にも理解出来ないなんて思ってさ、
ずっと孤独を感じてた。
でも本当は違ったんだ。
わたしは誰にも理解されたくなかっただけだった。
だからずっと変なフリをしていた。
中身はずっとずっと普通なのに。
皆はわたしを変わってると言った。
心の中の孤独に気付いてくれる人なんていなかった。


「背徳」

思ってもない事をその場しのぎで取り繕ってしまった。
本当の私はいつも出せない。
居心地が悪いわけでは決してなくて、
ただ、わたしを偽ってしまうことが怖い。
こうしている今も偽り続けている。
天罰が下りそう。
繊細すぎる心を持つと大変だ。


「背徳2」

わたしにやる気なんて無いのに、
今日もまた嘘で見栄を張らざるを得ない。
それがわたしの生きる道だから。
虚栄に置いていかれる。
どんどん大きく成長するわたしの虚。
どこまでも中身は小さくちっぽけなのに。


「妬み」

私より頭の良い人をたくさん知ってるわ。
私よりセンスの良い人もたくさん知ってる。
私より言葉が上手い人も、楽器が上手い人も、本を読む人も、映画を見る人もたくさん知っている。
私はこの地獄の中では少しだけ輝けるのかもしれないけれど、すぐに気がつくの。
自分の無能さを。
私は歩く劣等感だから。


「冷めないうちに」

わたしの賞味期限がどんどん迫っているのを感じる。
人生は泡沫でしょう?
消えないうちに愛してよ。
わたしには時間がないの。


「商材を」

わたしの人生は後悔ばかりだ。
わたしはずっと溺れている。
誰かわたしを救い上げて。
このまま一人暗い海の底で、
誰にも気付いてもらえずに、
今日も自分を偽り生きてる。


続くと良いね

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