パーパスの浸透度ハンパなーい
あなたの勤めている会社のパーパスは何ですか?
昨今のビジネスにおいて、パーパスの重要度がますます高まっている。パーパスとは、日本語で存在意義という意味であり、企業は何のために存在するのか、社会においてどのような責任を果たすのかを明文化したものである。
パーパスという言葉ではないかもしれないが、一般的な会社における社訓、理念、創業哲学などに相当するものだ。
例えば、わたしの大ファンであるサステナブルブランドのAllbirdsのパーパスは、「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」である。
このパーパスがステークホルダー(従業員、顧客、サプライヤー、コミュニティ 、株主)に対してどれだけ浸透しているかが、その会社のブランド力に直結するといっても過言ではない。
というのも、これからの消費者の代表であるジェネレーションZは会社のそのような姿勢をよく見ているからだ。
要するに、いかに消費者に対して一貫性のある行動を示しているかに尽きる。
最近読んだ「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」には、このように記されている。
クレドはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではないのです。
よく誤解されるのですが、クレドはマニュアルではありません。
(中略)
一方、クレドは心で納得して実践するものです。同じ感性と価値を共有した人がほんとうに心からクレドに納得していれば、マニュアルのように細かい決まりを定めなくても、自然に同じ振る舞いができるというのがクレドの基本的な考え方です。
また、クレドと一般的な社訓との違いについて、このように記されている。
おそらく従業員への浸透度だと思います。立派な社訓を持っている会社でも、額に入れて飾ってあったり、入社式などの特別なイベントのときだけに読み上げるぐらいで、従業員が普段から社訓を読む機会をつくっていないところが意外に多いと聞きます。
この本は2005年に出版された本のため、パーパスの概念はないのだが、クレドはパーパスそのものだ。何より、15年の月日が経っても普遍的であることにこの本の価値があるといえる。
わたし自身、仕事を通してパーパスの重要性について考えさせられる場面が多々ある。そして、わたし一人の力ではどうにもならないことも知っている。
わたしの所属する部門のトップに対して、パーパスの重要性についてプレゼンをしたこともある。賛成の反対のどちらでもなく、『パーパスはあるのでは?』と返された。『額に入れて飾ったままでいいんですか?』と心の中で叫んだ。
先日、会社のイベントでサステナビリティに関するリモートトークセッションが催された。わたしの尊敬する某ブランドの元代表の話ということもあり、迷わず参加した。サステナビリティの話もさることながら、そこでもパーパスの重要性について説いていた。
最後の質問コーナーで手を挙げるボタンを押して、『パーパスを浸透させるための仕組み作りについて、何か工夫されていたことはありましたか?』と質問をした。多様なステークホルダーを巻き込みながら、各部門でやること・やらないことの整合性をとることに注力したとの回答をいただいた。
わたしの感性の羅針盤はしばらく揺らぐことはなさそうだ。
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