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Allbirdsのクレイジーな組織力
ここまでAllbirdsの魅力について、存分に語らせていただいた。
なぜAllbirdsはサステナブルシューズとアパレルに取り組んでいるのかに始まり、創業者ストーリー、サステナブル戦略について言及した。しかし、実はAllbirdsの最大の武器をまだ語っていない。正確に言えば、半分わたしの直感であり、もう半分はわたしの妄想である。これまでのSustainability Reportやあらゆるインタビュー記事を鑑みて、この仮説に行き着いた。
Allbirdsの最大の武器は、組織力なのでは?
まず、この仮説に行き着いた理由は、パーパスがプロダクトに宿っているからである。もう一度おさらいすると、パーパスとは存在意義であり、企業は何のために存在するのか、社会においてどのような責任を果たすのかを明文化したものである。そして、Allbirdsの掲げたパーパスは、「ビジネスの力で気候変動を逆転させる」である。
Sustainability Reportによると、Allbirdsでは、情熱を持った従業員チームを「Flock」と呼んでいる。多様性や公平性、インクルージョン、帰属意識を持った組織作りを重要視しており、トレーニングとして組み込んでいるそうだ。そして、人種、ジェンダー、背景、文化、社会的および経済的ステータス、年齢、性的志向を歓迎している。Allbirdsでは、これら多様性に関する定量目標を設定している。
従業員だけでなく、製造パートナーへの配慮も欠かさない。また、パートナーシップも重視しており、同じ志を持つ団体などと積極的な対話と行動を続けている。
インタビュー記事もいくつか拝見したが、とにかくコメントに一貫性がある。創業者であれ、マーケティングディレクターであれ、言葉一つ一つに熱量がある。もし肩書きが伏せられていたら、どちらが創業者かわからないぐらいパーパスが浸透している。
パーパスを起点にすることで、組織が有機的になり、同じベクトルで進むことができる。MLBではワールドチャンピオンという同じ志を持ったトッププレイヤーたちが、それぞれの役割を全うし、それが組織力となる。しかし、企業ではなかなかそううまくいかない。AllbirdsはMLBのように一人ひとりが自身の役割を理解し、パーパスを起点に組織的に駆動しているように見える。
本当にクレイジーだ。