今の自分と、別の人にならなくていい
ある講座に参加した時に、「今までの人生の中で、何度も思い出したい、最高によかった場面」の中の一瞬を切り取って、詳細に体験しなおすワークがあった。
小さなことでいい、というので、私は、中学の時、バドミントンをしていて、ラケットの正しい位置にシャトルが当たると、力を入れていないのに、「スコーン!」と気持ちよい音をたてて、高く遠くへ、シャトルが飛んでいく瞬間が、嬉しくて、気持ちよくて、好きだったことを、取り上げた。
その日の朝は、どんなことをしていたかな、と、その瞬間を迎えるまでを、順番に、具体的に思い出しながら、最高の瞬間の動きを繰り返しているうちに、
「ああ、私は、実は、こんなことを感じていたんだ」「こんなことを思っていたんだ」と、自分が感じていたこと、心の奥で思っていたことに、次々と気づいていった。
「そうだったんだ!」
「その頃から、そんなことを思っていたんだ、感じていたんだ!」
「今も、そう思うよ!」
「それって、まさに今、私が "こうありたい” と思っていることだよね」
「それができないまま、ずっと過ごしてきたから、苦しくなったんだね!」
そう思ったら、私がこれからすることは、
「今の自分と、別の人になる」ことではなくて、
「片方の自分でしか生きてこなかったら、もう片方の自分でも生きられるようにする」ことなんだ、と思った。
今が苦しい、と思っても、
自分と別の人になる必要はない。
自分が心から求めていることに気づいて、その自分でいられるようになればいいことなんだ、と思った。
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