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「海のはじまり」最終回。子育ては後ろから見守るに変化する

月9の「海のはじまり」が9月23日に最終回を迎えました。

ネタバレを含むなので、未視聴の方はご注意くださいね。



最終回を見終えた後、いったいこの作品は何を伝えたかったのかと考えてみた。

・いろいろな家族の形
・人と人との繋がり
・生きていることの大切さ
・思わぬことに遭遇した時にどう乗り越えるか?
・大切な人には会える時に言いたいことを伝えよう

伝えたかったことについての考察

誰視点で見るかによって違うけれど、私自身が思いついたのはこんな感じ。

少なくとも私のまわりではこういう事態に遭遇した人を見聞きしたことがないので、想像の域に過ぎないけれど、目黒蓮さん演じる月岡夏の役はなかなかの難役だったと思う。

そして、私が感情移入する相手は、母となり子どもがそこそこ大きくなった立場としては、大竹しのぶさん演じる水季の母かもしれない。


私自身、母が祖母から聞いたというある話をこのドラマを見るたびに思い出していた。

「一番の親不孝は、親より子どもが先にいなくなることだから」

実際の祖母のセリフはもっとストレートだった記憶があるので、表現は柔らかくしている。

この話を聞いた時は、あまり実感がなかったけれど、今ならこの言葉の持つ重みがわかりみしかなくて。

亡くなった娘の彼氏に、そこまで意地悪を言うことないよねと思うけど、意地悪なことを言ってしまいたくなる心情は想像できた。

若い方らしい脚本家の方が、どこまでこのシーンを想像していたかはわからないが、実際に娘さんがいらっしゃる大竹しのぶさんの演技はリアルに迫るものがあったように思う。


孫娘がいなくなることを描くシーンでも海ちゃんが出て行ったことを減らない牛乳の量で感じるのは、実際、私自身にも経験があった。

大学進学のため、下宿することになった子どもが家にいなくなったことを実感するのは、魚の切り身やおやつのシュークリームなどの個数だったから。

同じドラマを見ている娘に、大竹しのぶさんが海ちゃんがいなくなったことを実感し、台所で泣き崩れているシーンが来年以降の私だと言われたのも、ちょっと笑えた。

さすがに台所で泣き崩れはしないけれど、大学生が2人になり、当たり前にいた家族の人数が減っていくことを実感するシーンは増えるだろう。

生きていく中で家族の形というのは、時間の経過と共に変わっていく。

子ども達が小さい頃は子育てに必死すぎて、気づかなかったけれど、それは当たり前なこと。

海辺で砂をすくって、指の間から砂が落ちていく。なくなった時、一つの家族の形が終わり、また砂をすくうことで新しい家族の形が始まる。

最後の海辺のシーンを観ている時に、そのようなイメージを想像した。

こぼれおちていく砂と同じ砂を、同じようにはすくうことはできないから。

一瞬、一瞬を大事に暮らしたいと人が願うのは当たり前のことだと気づく。


そして、最終回で一番これはいいと思ったシーンは、日曜日で夏が仕事になったから、海ちゃんが1人で留守番するシーン。

海ちゃん応援隊のように、いろいろな人が海ちゃんの留守番に協力する。
普通はありえない関係性で、かなりカオスな状況であっても。

子育てはこれくらいカオスな状況でも人手を頼っていいのでは、と思う。

私は人に頼みたくなかったから、ワンオペのことが多く、それが自分の子育てのしんどさに繋がった気がする。

もちろん、家族や病児保育、保育園、幼稚園、こども園、最低限は必要なことは利用した。でも、迷惑をかけたくない気持ちから、苦しい、しんどいと思う時も助けを求められなかったことがあった。

今となると、子どもたちをイヤな気持ちにさせたことも多々あったと思う。まして、HSP気質の人は人一倍疲れやすいらしいのに。

だから、子育て世代に向けて、たくさんの人で子育てしたらいいんだよ~というメッセージに、このシーンがなっていたなら、素敵かもと思った。

子育てに問題があるように見えると、何かと母親のせいにされることが多い。私自身も経験したことでもある。

でも、本当は誰のせいでもないと思う。

子どもの人生での親の存在は、手取り足取り何かを教えることではないと思うから。

最初は歩けない子どもを抱っこ
⇒手を繋いで歩く
⇒横を並んで歩く
⇒後ろから見守るように歩く

親子の形

最後には前を行く我が子が振り返った時に、親がそこにいる形になる。

前を行く子どもは、親が後ろから声をかけても振り返ってくれなかったり、ぐんぐんと前に進んで行ってしまったりする。

ちょっと寂しいけれど、いずれはそうなる。

最後の海辺のシーンはそんなことを思った。夏と海の関係は、まだ手を繋いで歩くか横を並んで歩くところかなとは思うけど。

そして、ドラマは終わった。

ちなみに、私自身が一番気に入っているお話は、特別編の「恋のおしまい」

本来は、最終回が終わった後に放送されるものだったかもしれないけれど、私は途中で観られてよかったと思った。津野くんの態度のわけがわかったから。

本当は両思いだったのに、実らなかった恋は哀しくて、切なくて、尊い。





このnoteは以下の企画もあり、書いてみました。でも、ドラマのことは書きたいなと思っていたので、ちょうどよかったです!

本当は映画「ラストマイル」について書きたかったのですが、参考に見た、noteの他の方々の感想がすごすぎて、途中で止まっています、笑。



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叶井ゆき
書くことをライフワークにと思い、活動しています! サポート頂けたら、ライスワーク活動が減らせるので、1記事でも多くアップできる可能性があります!?(笑) よろしくお願いいたします!