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=読書感想文=なぜ投資のプロはサルに負けるのか?

20年近く投資しています。
株、投信はもちろん、FX、金、不動産、いろんなものに手を出しました。
20代からの長期で投資したインデックス投信の利益を、その他の短、中期の投資で吹き飛ばすという感じでしょうか。
20年間の損益を計算したことはないのですが、感覚的にトントンです。つまり時間の分だけ大きな損失ですね。

この本は、いままでの投資での成功、失敗を科学者的かつ金融工学最先端の投資銀行勤務の見地から説明してくれました。いままでたくさんの投資の本を読みましたが、この本が一番腑に落ちました。

そして、投資で負けない方法が書いてあります。

株で100%絶対に負けない方法です。
もったいなくて言えないのですが、言います。

「投資しない」です。投資しなければ負けません。

これを軽快なタッチで、身も蓋もない論理的な説明ズバリと書いてあります。

投資をしたい、始めたい、または、うまくいかなくて、悩んでいる。そういう人におすすめです。

私は、子供達が投資をしたいと言ったら、まず読ませる我が家必読本とします。

–この読書感想文の読み方–

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。本を純粋に楽しみたい方は、ここを読まずに本を入手されてください。
「→」は、私の感想です。

読んだ人によってそれぞれ心に刺さるポイント、文章が違うと思います。
読んで見たいと思ったら、実際に読んで、再びこの文を読んでいただき、
私の着眼点との相違を楽しんでもらえれば幸いです。

そして、あなたの新しい発見や問題の解決のヒントになったら嬉しいです。

–スタート–

「市場でたまたまついている価格が、あなたの計算した真の価値より高ければ売って、安ければ買えばいいだけです。投資とはこのように非常にシンプルなものなのです。」

「素人トレーダーは、株と言う名前の紙切れをどこかの馬鹿が次はいくらで買うのかと言うたった1つの数字を予想すればいいのです。ところがファイナンス理論を勉強してしまったばっかりに、予測するのが絶望的に難しいパラメーターをたくさん計算しなければ、どこの馬鹿が次はいくら買うのかと言うたった1つの数字を決められなくなってしまったのです。」

「市場原理を18世紀の経済学者アダムスミスは「神の見えざる手」と表現しました。人々が自らの利益のために自由な市場の中で競争すれば、結果的に社会全体が豊かになっていくと言う考え方の正しさは、今も全く変わっていません。
市場原理は全員に競争を強いる弱肉強食的な面もありますが、結果的には人に最も優しい仕組みなのです。なぜならば、市場原理のもとでの競争と言うのは「他者に必要なものを提供して、どれだけ他者を幸せにできるか」と言う競争だからです。」

「このような市場の仕組みの中で、プロ同士が知恵を絞って壮絶な競争をくり広ける結果、株価は常に割高とも、割安とも言えない、絶妙な範囲のところでいつも決まっています。株価はこのような常に「正しい価格」で取引されている状態を、ファイナンス用語で効率的といいます。」

「投資のプロが、マネーゲームでライバルを出し抜いて大儲けしようと、市場で日夜活動しているからこそ、すべての会社に正しい値段がつくわけです。その結果、国民のニーズをうまく満たせる、つまり国民を幸せにできる会社に高い株価がつき、そういった会社は株式市場から資金を調達しやすくなるのでより成長していくことができます。逆に経営者が無能で、資源を無駄遣いしたりして高コストな国民のニーズにを満たすのが下手な会社は株価が低迷して、資金を調達しにくくなります。そして、最後には市場から退場させられます。活発なマネーゲームをかけて、正しい企業に正しく資金が供給され、社会全体が楽しく発展していくのです。」

→この文がこの本の真髄だと私は思います。そして、私の解釈はこうです。
世界の一流の頭脳を持つトップレベルの投資のプロ中のプロが、莫大な資金とともに、あらゆるツールを使って、24時間、365日、儲かる銘柄を探しているので、割安、割高銘柄は、瞬時に探し出され、適正価格に導かれます。つまり、その後の上がるか下がるかの要素は、表と裏を当てるコイントス、運というわけです。公的に当たる確率や還元率を制御されている、公営ギャンブルや宝くじよりは、いいけど、やはりギャンブル、楽しむならいいけど、そうでないなら、やらないことという結論でした。

それでも、どうしても資産運用しなくてはいけない人は、インデックス中心にしましょうということです。ここでは書きませんが、そのどうしても投資の必要があるという人向けのテクニックも書いてあります。親切な人ですね。

もう、とにかく目が覚めます。この本を完読した日に、証券口座のアプリを消しました。そして絶対に負けないために、投資しないのが一番ですね!

という結論には私はなりませんでした。

この本の最後が印象的です。アインシュタインの言葉が引用してあります。

「無限なものはふたつあります。宇宙と人間の愚かさ。前者については断言できませんが。」

そして著者は、「これからも、人間の欲望と恐怖、そして愚かさによって資本主義経済は繁栄を極めていくのです。」

なーるほど、世界全体に投資すればいいんですね!というのが、私の投資に対する答えでした。

投資に興味がある方は是非読んでみてください。

-終わり-

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