吉原神社〜大河ドラマ「べらぼう」で綾瀬はるかが演じたキツネが合祀されている
昨日から始まった大河ドラマとその舞台になった吉原について(長文です)
私は歴史大好きなので、当然大河ドラマが大好きです。
「おんな太閤記」とか「独眼竜政宗」とかの頃から見ています(笑)
去年の「光る君へ」を見て、はるばる滋賀県の石山寺まで行きましたし。
今回は吉原が舞台なのですが、たまたま去年、その吉原があったあたりを歩いてきました。
実は「吉原」に関することは、ずつと気になっていたのです。
本当はゆかりの場所を巡って、悲しい思いをして若く亡くなった女性たちに祈りを捧げたいと思っているのに、実際は辛すぎて行けていませんでした。
浅草が大好きで何度も行っていますがやっと去年、はじめて浅草寺のそばにある吉原神社にお参りしていました。
吉原の中には複数のお稲荷さんがあったそうです。
吉原の出入り口は大門しかなく、厳重なチェックがあり、遊女たちはそこから外に出ることができずに生きていた。そんな彼女たちにとって、そこにあった神社は、神様に祈ることくらいしかできなかった彼女たちのきっと心の支えになったはず。
お稲荷さんといえばキツネですが、じつは「キツネ」は隠語で「遊女」を指すとされます。
このような歓楽街によくお稲荷さんが祀られているのは、商売繁盛を願ってだけではなく、そのあたりの理由があるのかと。
ちなみによく勘違いされていますが、お稲荷さんは「キツネ」のことではなく「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)です。キツネはその眷属(家来のような存在)
ウカとは食べ物。
ミタマとは御魂。
つまり「食べ物の魂」の神様という意味です。
食べ物(稲)イコール豊かさということで、商売繁盛のご利益があるとされます。
宇迦之御魂神は、素戔嗚尊の息子とか娘とか言われますが。
(性別が曖昧なのです)
遊女の守り神ですから、私は女神様なのだと思っています。
「お稲荷さんは怖い」と言う方がたまにいらして、確かにおどろおどろしい雰囲気の神社もありますが。
眷属であるキツネさんが、か弱い女性たちを守るためにああやって、怖く立ち振る舞うのかもしれないなどと想像してしまいます。
まあ実際、商売繁盛のご利益があるため、時々ガチで「欲まみれ」いうか、眩暈がしそうなほど人の念が渦巻いているような場所も実際にあるんですけどね。
でもこの吉原神社と、そのそばにあった吉原弁財天は、悲しくて切なくて、本当に涙が浮かんできました。神社なのに。
浅草の七福神巡りをした日は曇っていたのですが。
吉原神社の手前から雨が降り出し、弁財天をお参りしているときは雨足が強まりました。
貧しくて東北地方などから売られてきて。碌にご飯も食べさせてもらえず病気になると日の当たらないような布団部屋のような場所に放置されて。
27歳で年季があけて自由になる契約なのに、そこまで生き延びることがほとんどできなかった遊女たち。
平均寿命は22歳だったとか。
亡くなると近くのお寺に掘られた穴にただ投げ込まれていた。
それらのことは知っていたのですが。
そのことを大河ドラマでこんなに真正面から扱ってくれるなんて。
戦国ものではないから合戦のシーンなどはないけれど、私的にはとても期待値が上がりました。
東海道を歩きたいとか、結構江戸時代のことを好きなんだなー自分(笑)
今回ドラマでナレーターの綾瀬はるかさんがとある神社のキツネ役で出ていましたが。
その「九郎助稲荷」は、現在はこの吉原神社に合祀されています。
711年創建とされ、江戸の中でも最も古い稲荷神社の一つとなります。
表紙の写真の、右から3番目の提灯にその名前があります。
今度東京に行ったらもう少ししっかり巡り、手を合わせてきたいと思いました。