『ルックバック』を見て、結構きちゃった件
『ルックバック』は、藤本タツキ(「チェンソーマン」などの作者)さんが、少年ジャンプ+で発表していた読み切りを映画化したもの。
私、ジャンプの漫画が好きなので、(古くは兄が好きだった「すすめ‼パイレーツ」に始まる)『チェンソーマン』もかなり好きなのです。
ちなみに第二部もアップされるたびに読んでいます。
デンジ君とパワーちゃんのアホなやり取りが好きだったので、第二部では、ちょっと寂しいのは否めませんが。
そしてこの「ルックバック」
ジャンプラで読んだ覚えがあったので、気になっていました。
今回『ブルーピリオド』を見ようと検索して、ああ、まだやっているう~
ていうか、見たいーーー!
と発作的にポチっと予約し、見に行ってしまいました😅
1日に一本だけの上映だったのですが(TOHOシネマズ すすきの)、まあまあ席は埋まっていました。
若い子が多かった印象。まあ、そうだよね(笑)
ネタバレしないように気を付けて書きますが、ネタバレになる表現しちゃっているかもしれないんで、見ていない方は見てから読んでください。
ということで感想なのですが。
漫画を描くことが好きな小学生だった藤野が、自分より上手い引きこもりの京野の才能に一度は奮起するも、結果が出せず諦めてしまう。
そんな時、引きこもって学校に来ていなかった京野に、卒業証書を渡しに行って初めて出会い、京野が自分のファンであると知り、自信を取り戻して、今度は二人で描き始める。
はじまりはそんな感じ。
映画の最初の方は、なんとも愛らしくて、わかるよ、うんうんってなっちゃう。
特に、自分より絵がうまい京野に刺激されて、絵が上手くなる方法をネットで検索し、
「とにかく描け!バカ」
と書かれたパソコンの画面の横で、実際にとにかく描く!を実践する素直さとか。
なんかほっこりして。
ああ、このまま光の差す場所に行けるんだって思わせておいて。
なのに、ですよ。
なんていうか、もう、です。
下唇噛み締めて、ちくちょーなんでだよ!って机叩きたくなる。
ネタバレになるから書かないけれど。
その後、色々あって悲しみの中にいた藤野が、ある場所で振り返った時に目えたものに、涙腺崩壊。
そこに、それがーー!(泣)
途中で自分に問うていた「なんのために描くのか」
その答えは見出せないままかもしれないけれど。
でも描き続けることできっと、あの日繋いだ手はずっと繋がっているんだと。
そう思いました。
振り返った時の京野ちゃんのあの笑顔がもう(泣)
「クリエイターさんには特にささる」と誰かが書いていて。
く、別にクリエイターではないけれど、刺さる。
刺さった。
特に、まだ小学四年生だった藤野が、自分より漫画がうまい四年生がいるなんて考えたこともなかったのに、引きこもりの京野の絵を見て愕然とする。
私より上手い四年生がいるなんで絶対許せない!!
と叫んだ後、必死で絵を描いて描いて努力するのだ。
もう、刺さるよね。
何かを表現しようとして、はるかに才能がある人を見ると、ああ、となっちゃう。
まあ、そうだよね、うんうんってなり、しばらくそちらを向きたくなくなる。
「その差を見つめて埋めていけ」的なことを耳にするけれど、差の大きさを実感したくなくて、そっと目を背けちゃう。
そんな自分がいるから、素直に前に走っていける藤野が刺さっちゃう。
大好きな漫画のひとつに『のだめカンタービレ』があるんだけれど。
そこでも、自分より遥かに上の演奏する同年代のピアニストを前に、努力したって報われないんだと投げやりになるのだめに、
「それだけ良い演奏を聞いたら、もっとすごいのやってやろうって思えばいいのに。思わなきゃやっていけないじゃない」
的なことをミルヒー(世界的指揮者)が言うのです。
一流の人たちは、自分より上の才能や技術を持つ人に出会ったら、よし!それを超えてやろうと思うんだ!
(メンタル!!)
と思ったのですが。
藤野ちゃんを見ても、そんなふうに思って前に行けるんだ、と。
それが眩しくて、私もちょっと頑張ってみようかな、と思える。
そして藤野ちゃんと京野ちゃんの夢が叶っていく先で。
なんでだよってことが起きて。
乗り越えることができないほど辛いことがあっても、それでも生きていかなくてはいけない。
救われたわけではない。
だけど、あの手は永遠に握られたままだと信じて、進んでほしいなあと。
短いのだけれど、ズシンと来るし、なんだか頑張りたくなる素敵な映画でした。