【PG-12小説】 姫様(ひいさま)ズーム・イン 男性心情編
車で海沿いのパーキング・エリアに入ってみた。
彼女とキスより先のことをしたいけど、一体どう誘えばいいんだろう?
思ったより星が少ない場所だけど、ムードを盛り上げようと、星座の話をしてみている。
一応ロマンチックな演出をしてるつもり(照)
だけど、彼女はずーっと憮然(ぶぜん)としていて、ムードが盛り上がるどころでない。
どーすりゃいいのさ?
隣のBMW(ベンベ)からは、いかにも「姫はじめシてます!」な息づかいが聞こえてくる。
BGMを初体験がテーマの曲にしてみた。
ソレに刺激されたふりをして、軽くキスしてみた。
相変わらず、彼女は盛り上がらない。
どーすりゃいいんだ?
こういう時、経験豊富なお姉様なら、サッとコンドームを着けるとか、上手くリードしてくれそうだけど………(妄想)
幼なじみの同級生なら、常識的には、やっぱコッチがリードするべきなんだよな???
………だけど、プレッシャーがハンパねェ〜!
ムードンコの着け方含めて、俺、未経験なんだけど……(汗)
やっぱ、男が自分で着けるもんなんだよな?
風俗嬢は、サービスで着けるらしいけど。
一応、オヤジが持ってるどエロいマンガや小説・動画なんかで予習はしたつもりでも、現実は作品通りじゃないだろ?
そういうモンの中では、処女でもいきなり気持ち良さそうにアンアン喘ぐコと、最後までずーっと痛がって、ガチ泣きもして、拷問されてるみてぇな苦痛を訴えるコと、両極端でこえぇ〜〜!(ガクブル)
普段は気の強いコでも、いや、だからこそ、拷問されてるような苦痛を訴えてきたら、俺、最後までヤれる自信ねェよ(ガクブル)
「俺が好きなら、我慢しろよ」って言いながら最後までスる奴ら、DV男だろ?(怒)
マジでハンパなくつらそうにされたら、行為中でもやめるって、女のコ的にはアリなのか?
エロい作品の中では、「痛いのは最初だけ。すぐに気持ちよくなるから……」とか言いながら最後までシて、無理矢理にでも苦痛に耐えさせようとする野郎(ヤロウ)とか、泣きながら「最後まで続けて。」と懇願(こんがん)する女のコが多いけど……。
女のコが懇願するのは、身勝手なDV野郎の願望だろうが、どう考えても(怒)!
でも、女のコは、初体験の苦痛が拷問並みかもしれない覚悟を決めて、彼氏にヤラれる可能性が高い時に逃げずに、脱処女に向かうんだろ?
スゲェエ〜!
俺、マンガとかで見た脱処女のツラそうな感じ、ぜってーに無理!
そういう意味では、男に生まれて良かった気がする。
痛み止め飲んじゃうコの気持ち、わかる!
初体験の痛みには、全っ然、意味ネェらしいけど。
彼女、飲んできたのか?
初体験がテーマの曲かけても、反応うっすいし。
あとは、どーすりゃいいんだ?(迷)
***
この小説は、森川美穂さん歌唱の楽曲「姫様(ひいさま)ズーム・イン」の歌詞をノベライズしたものです。
三部作の最後を締めくくる本作は、男性の心情のみで構成しました。
男言葉の表現が難しく、三部作の中で一番、推敲を重ねました。
行動からイメージする一人称は「僕」なんですが、楽曲が世に出た時代は、「俺」が主流だったので、当時を知る人達には「僕」だと「お坊ちゃまブリッコ」に見えてしまいそうで、主流派に合わせました。
何しろ、森川美穂さんのキモヲタ系ファンの人達がメイン・ターゲットの作品なので…。
ファン以外のご関係者様から非表示の依頼があれば、速やかに非表示に致します。
※文中に登場する「初体験がテーマの曲」は、二作目と同じです。