ゆずの新卒VCの6週間目。
今村柚巴、新卒でVCとしての勤めてます。週報という形で自分にとっての学びなぞを描いていきたいと思います。
5月6日(月) 36日目
友達と餃子フェスに行ってきました。
私は以前も姉妹事業(?)の肉フェスというイベントに行ったことがあるのですが、例年思うこととして単価が丁度良く高い(700円)の割に量がさほど多くないので、どんどん買ってしまいます。お酒飲んでないしあんまり食べてないのにいつの間にか料金は6000円に。居酒屋???
こういう、料理系フェスはAATJというもともと音楽フェスを開催していた会社が運営しています。
東京、ないしは日本全国に散らばる料理を集めて一定価格で売る、という手法は物産展でもやってたやん、ということだと思うのですが、そこを屋外にすることで音楽フェス、遊びに行くスポット化したところがうまいな〜と思ってます。散らばっている物をまとめてその手数料を取る、というやり方にプラスの何かを加えるってことだろーなー
で、この会社、肉のハナマサ(スーパー)を運営するJMホールディングスに買収されて子会社(事業部署?)化しているのですが、単体での売上がIRを見ても載ってない(セグメント別でも書かれてない)
こういうのってどこに載ってるんでしょうね。よければTwitterで教えてくれると幸いです
5月7日(火) 37日目
逗子海岸映画祭っていう1.5万人(2015年。もっと多分増えてる)が動員する映画祭がありまして。友達がそこの主催と仲が良かったことで見に行ってきました。
そしたらうっかり映画祭後の打ち上げにも参加させてもらえることに。
多くのボランティアの方で構成されている映画祭。上映されるのはミニシアター系の映画で、ドイツの5年に一度のアート祭、ドクメンタにも日本人唯一として出展していた。
2023年にSNSでものすごくバズって、大量の人が来たらしい。その分騒音問題が起きて元々のファンや地元民との反発も起き、今年は当日券排除を行なったり、モラルが守られる施策を加えたのだとか。
ふと、「ビジネスが最大目的だったらそのまま人を増やし続けたのかな」とも思った。というか、こんな現地の人との反発が起こる事業を選ばないのかもしれない。
このプロジェクトのドイツ協業先の人がゲストで来ていたのだが、彼はポリティックス(政治)を研究していた人だった。
アートとビジネス(マーケティング・デザイン)とポリティクスは、それぞれ全然違う視点を見ているようで、アートとポリティクスは近しいところが垣間見られる。そもそも個人や集合体ののっぴきならない社会への主張の表現方法としてアートがあるとも思うので。
ただ、デザインやマーケティングは、一見アートと親和性があるようでかなり違うと個人的にも思う。世の中に課題があったら、それを上手く利用しようとするのがビジネスのやり方。叛逆するのがアートのやり方、というように見える(すごい雑な分け方とは思ってるけど)
私は大学での留学時の選考はコミュニティイベントだったし、イタリアの芸術祭にわざわざいくほどにはアートは好きだと思う。その上でビジネスとしての生き方を今は選んでる。こっちの方が多分得意かもなと思ったから。
混ぜたい、交わらせたいと思いながらも、価値観が全然違うんだよなと久しぶりにアートの世界を見て感じた。
今の私は、どっちも好き。久しぶりにいけて良かった。
5月8日(水) 38日目
たまたまこの日の直前に、音楽系ビジネスの相談を受けていたんです。
うーんどうしたわからんもんだなーー、と思い、偶々Next Base(自社運営子ワーキング)にいらしていたエンタメ系事業会社投資部の方(Nさん)に相談してみる。そしたら
そもそも音楽業界、とひとくくりに行ってもざっくり以下の4つのステークホルダーの会社がいる。
FC運営は事務所
楽曲権利は音楽会社
チケット販売はチケット販売プラットフォーム
興行する人(イベンター:ほとんど中小企業)
それぞれがそれぞれの利益を追っかけながら動いているから、まず、サービスを以て誰が喜ぶかを見定め、その対象者と会話するのが重要。
また、この辺の権利がかなり複雑に絡み合っていることからあちらを立てればこちらが立たず的な、参入口によっては関連会社にぶっ潰される可能性がある業界。若さだけで突っ込んでいけるようなクリーンな世界ではないので、戦い方が重要。
以前チケ男はラジオで話してくれたけど、誰に紹介されるか、どういう前提で紹介されるかがめちゃくちゃ大事で。「なんかよくわかんない若者スタートアップ」としてではなくて「新しい技術革新をしてくれそうな若者」として認知されつつ、うまく業界の懐に入る(チケ男は一時期チケットセンターで実際に働いていたらしい)のが、こういった旧泰然とした業界への入り口なのかもなと。
年上の人に可愛がられ、かつただ若さだけで勝負してない感。
大事〜と思いながら話していると、そのNさんに
「俺は何かしらの事象に対して分からないことがあったら、専門にやってる友人にすぐに聞いちゃうな。俺も別業界の最新情報なんて全然わかってないから。」
と言われ。
ここ最近、「全部自分がわかんないと、VCなんだし、投資する立場なんだし」とあせあせしていたのですが、意外とそれはただの思い込みで、それよりそれぞれの専門家の人にさくっと聞けちゃうような姿勢、らしさを維持していくことが一番大事なんじゃないかな〜?と思ったり。
仕事上、スタートアップの人と会わなきゃ、会わなきゃとしていたのですが、そんなことはなくて、様々な業界だろうが興味持てて、ちゃんと内部でやってる人と仲良くすること。
当たり前にできていたことだと思ってたけど最近忘れちゃってたなと反省しました。
5月9日(木) 39日目
この日は毎週木曜朝の勉強会の日。今週はBoost Capital(元Yahoo!代表)の小澤さんに起業家が一問一答する会。
精神、マインドセット的なことから、事業ロジックのことまで。本当にたくさん語っていただけた贅沢な時間でした。
一番印象的だったのはセンターピン(事業の勝ち筋)を見つけて、そこからの行動方法。
一番の突破口はかなりわかりやすく、誰が考えてもそれ!ってなる。
例えばEコマースだったら、「みんなが絶対欲しいもの」を「安く」「早く(物流)」買えるか。大前提欲しくないものだったらいらないし。
この3点の「物流」を大きく変えたのがAmazon。でかい倉庫でどこよりも早く届く設備を整えた。
単純にAmazonに勝とうとするのはかなり難しくて。だってその倉庫代立てるのいくらかかるねん。(5兆円はするらしい)
これに対抗しているのがYahooショッピングのポイント戦略。「安く」に着目して、ポイント制度を発行することで、「まあAmazonよりは届くの遅いけど、ポイント貯まるしな」的な人はYahooに流れてる。
センターピンは絶対に外しちゃいけないもの(この場合はみんなが欲しいもの(商材))もあれば、複数の要因が絡まり合っているものもある。その場合はその要因の中のどこが自分だったらハックできるか、入り込めるかを際立たせて、とにかく一点突破で投資して逃げ切る。
どこだったら自分の身の丈(今の、というよりは投資したりして自分の中の最強無敵状態)で戦えるかを見定めるのが非常に重要だよね。
。。。的な教えが何十も繰り返され、めちゃめちゃ濃い会でした。
こうして毎週毎週先人の人の教えを聞けるのはめちゃめちゃ贅沢だし、やっぱりその道長い人にはどんだけ曖昧だなあと思いながらでも質問しないと得られない学びがある。環境にも感謝しつつ、遠慮しすぎないようにしていきたいな。
(来週はペイトナー阪井さん!起業家/志望の方、ぜひきてください〜)
5月10日(木) 40日目
この日は投資先のメンタルヘルステクノロジーズのオフィスに訪問しました。
思い立ったのは先月くらい。自分の投資先で上場している会社のことすらわかっていないの、VCとしてよくね〜〜〜〜、と思ってDMで突撃し、訪問させてくださることに。(快い!)
法律によって50人以上従業員がいる会社には必須となった産業医。その産業医の派遣を行なっているのがMHTです。
色々お話しして、一番残ったことは粗利率の転換、という概念。
今DX化が注目され、SaaSブームが訪れ、という形で旧泰然とした企業体制にツールを使って改善しよう、的な起業も増えたが、やっぱりそんな世の中「こっちのほうが効率がいいからこっちがいいよ」で選ぶもんじゃない。
その間の価値として人材派遣を始め、目の前の困りごとに直接響くサービスがあったりする。
とはいえこの業態は今までの方式と近しいのだから、ある程度伸びてきた中で競合他社が全然参入してくる。大手も手を伸ばしてくる。そこで粗利=価値の再変換が行われる。
人材業であるMHTの場合は、そこに産業医のクラウドツールがあり、圧倒的な価格の安さがあった。ここでツールが初登場。起業して何年も後。これがハマったこともあり上場して独自のポジションを作っている。
◆
刀禰さん(代表)は、社会の潮流を見たい時は、目先の法改正だけではなくて、あるセグメントに分けられた人口が大きく向かっていく先を見ること。と仰っていた。
人口減があり、若者が減り、ハラスメント問題が大きくなり、働き方改革推進法が検討に上がった。このタイミングだったからこそ参入することができて、大きくなった。
正直何を今この瞬間にしたらいいのか、何が今後くる業界なのか、知るのはとっても難しい。
働き方改革だってずっと言われてるように見えるし、製造業の人が減ってたり、外国人雇用が明らかに増えてたり、脱炭素も叫ばれ女性推進も言われてる。
たぶん、この世は大量の「解決した方がいい問題」に溢れていて、そのへの注目度が臨界点を超えた瞬間に事業化が一気に進んでいく。その大まかな情報はデスクリサーチや四季報、ニュースで取ることはできる。
でもそれが一番得意な人に比べて私はあんまり上手くないんじゃないかな。って感じる。その代わりに人に聞くことはできる、と信じたい。
変なプライドはもう捨てられてるって思ってる。
1週間の総評
餅は餅屋。全部自分で解決しないで、一歩一歩リアルな現場を見る。人と会う。あとインプット。
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