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知的好奇心によって学ぶ
こんにちは。
3記事連続で、「人はいかに学ぶか」という本を参考に記事を書いております。
今回は、新しい学習観と知的好奇心の関係について書いていきます。
最後まで読んでいただけると、うれしいです。
1 伝統的な学習観と新しい学習観
伝統的な学習観とは、次のようなものでした。
学習して知識を身に付けるためには「教え手」が必要である。
「教え手」が行うことは、2点ある。1点目は知識の伝達。2点目は学び手を評価して、知識の正誤の確認情報(テストなどを実施)を与えること。
「学び手」は、受動的で有能ではないと仮定する。
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この学習観を信じて、学校などでは授業が行われてきたわけですが、「言われたことしかやらない」などの課題が現れてきました。
そこで、新しい学習観を考えました。
新しい学習観では、「学び手は、能動的で有能」だと考えます。
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この学習観で、学び手はどのような場合に能動的なのか、深堀しました。
前回の記事では、学び手が現実的に必要だと実感したときだという1つの結論を導きました。
今回は、知的好奇心の発生から学び手が能動的に学ぶことを述べます。
2 知的好奇心により学ぶ
・ 驚きや当惑から学ぶ
既有知識では想定できない結果が出たとき、「なぜ?」という根拠を人間は求める。また、その「なぜ?」が他者と共有されていれば、意見交流が出現し、根拠を洗練させていく。
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・ 実際的有用性から学ぶ
例えば、保育園児たちがプールに張った氷を使って遊びたいと思っているが、氷が張らない日があったとします。
このとき、保育園児たちは「どうして氷ができるのか?」と考えます。
1つの予想として「雨が降るからだ」と予想します。
この予想が正しいか、実験して、結果から予想が正しかったか検討します。
でも、自分の実験結果は良かったとしても、他者の実験結果で予想したことと反した結果が出ていれば、別の理由を考えます。
このようにして、因果関係を追究しようとします。
最初は「プールに張った氷で遊びたい」という欲求でしたが、相関関係を予想し、実験して確かめることを繰り返すことで、因果関係を考えようとします。(深く考える)
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3 なぜ深く理解しようとするのだろうか
人間は、特定の地域・生活様式で生活してきた生物ではありません。様々な環境下で生活してきました。
様々な環境下で生活するには、ある環境で身に付けた知識がどのような条件の場合に適用できるのか分かっていなければなりません。また、獲得した知識が、ある程度どのような場合にも適用できるように一般化する必要もあります。
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人間が現在まで生き延びるためには、知的好奇心が必要だったわけです。
4 どのような場合に知的好奇心が引き起こされるのか
学び手が、理解がまだ十分に達成されていないことを実感しているときに、知的好奇心が引き起こされます。
また、当面の課題の達成を目指して、それが解決すれば、より一般性を追究しようとする知的好奇心が引き起こされて、深い理解を目指します。
深い理解は、より一般性を目指そうとする、つまり未来に起きることにも対応しようとする考え方だと捉えることができます。
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5 最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
知的好奇心が引き起こされるには、当たり前ですが、学び手に心的余裕が必要です。課題解決に向けて、全集中力を使わないといけない状況では、目の前の課題を解決するので精一杯です。
また、知的好奇心が引き起こされるには、
他者から押し付けられない課題
自分の好むやり方で取り組める
好むだけの時間取り組める
という条件も必要だということを忘れてはなりません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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