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滑り込み モネ展

会期の最終日から2日目の2月10日。
滑り込みで、モネ展に行ってきた。

去年の夏、新宿のイマーシブミュージアムにて、印象派と浮世絵の展示を見た。そこで、素敵な睡蓮の絵を見つけ、家に帰り、調べたことで、モネの絵であると、初めて認識した。
絵自体は見たことがあったけれど、モネにきちんと出会ったのは、つい最近ということになる。
イマーシブミュージアムは映像作品のため、実物を見たいという気持ちが、どんどんと大きくなった。

そんな中、去年から今年にかけて、国立西洋美術館で、モネ展が開催された。
またとない機会と思って、行くことをひたすら楽しみに、国試の勉強を頑張ってきた。

結果から言うと、本当に行ってよかったと思う。

遠くから見るだけでも、ずっと画面でみていた作品が目の前にある!というだけで、感動する。近くで見ると、モネの息吹や生き様を感じられる。たくさん塗り重ねされている部分にこだわりを感じるし、そんなモネの生きた証に触れられていることが、非常に嬉しかった。

私の中で、非常に印象に残っているのが、モネが白内障を患いながらも、治療を受けていなかった時期に描かれた「日本の橋」という作品だ。
モネの作品は、全体を通して、凄く繊細であり、美しい。しかし、この時期に描かれた作品は、他の作品に比べて、繊細さがなく、率直な私の感想にはなるが、「乱雑さ」であったり、「苛立ち」、「焦燥感」のようなものを感じる。カンヴァスに余白が残っているのも印象的だった。
病が才能の形を歪めてしまうと、恐ろしくなった。

私は、原田マハ先生の短編作品である、「ジヴェルニーの食卓」を読了してから、展示を見に行った。
そのため、モネの背景を理解した状態で、見ることができた。展示の中で、「ジヴェルニーの食卓」の主人公である、モネの義理の娘、ブランシュが登場したときは、感動が大きく、一緒に行った母に、これは「ジヴェルニーの食卓」の主人公の義理の娘なのだ、と意気揚々と説明してしまった。笑
「モネのあしあと」も購入してあるので、展示の記憶を辿りながら、そちらの作品も楽しみたいと思う。

普段、私は絵を描くことはなく、文章に親しむ日々だけれど、
やはり色々な芸術に触れることは、私の創作意欲を高め、自分の中の文化的な部分が豊かになると実感する。
そして、私は、母と趣味が合うことはほとんどないのだが、モネを通して、母と久しぶりに遠出する機会になった。普段から決して仲は悪くないし、むしろいい方だとは思うが、こうして母と私を繋ぐ、共通の好きな画家であるモネには感謝している。

出口で、モネ展のグッズ販売があったのだが、30分ほど並んで、ポストカード2枚を購入した。

上:ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出
下:睡蓮、夕暮れの効果

何と母は、睡蓮の小さめの額まで購入していた。

上質な体験となった、モネ展。
一生のうちに、実際にモネの絵と対峙することができたこと、この記憶をずっと心に留めておきたいと思う。

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