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映画「時々、私は考える」

先日、「時々、私は考える」という映画を鑑賞したので
感想を書こうと思う。
原題は、Sometimes I Think About Dying とあるように
人づき合いが苦手な主人公フランは、
時々、幻想的な死の空想に耽っている。

舞台はアメリカのオレゴン州の港町、坂道の向こうに
海が見えて、建物がノスタルジーな雰囲気で
すごく私の好みだった。
冒頭から幻想的な風景シーンが現れ、この映画の
世界に没入できそうだと思った。

監督はレイチェル・ランバートという人で、
日本で公開されるのはこの作品が初めてらしい。
美しい映像を見て、この監督はもしかしてアンドレイ・
タルコフスキーの映画がお好きなのではと、私は考えた。
最近、タルコフスキーの著書「映像のポエジア」を
読み、ネットで映画も観て、私自身が今影響を受けている
監督なので、そう思いついてしまっただけである。
以前にもタルコフスキーの映画を観たことがあるけれど、
私には理解し難くそれきりになっていたが、
今になって前のめりに興味を持つようになった。

この映画の内容に戻って、ストーリーを簡単に書くと
人づき合いが苦手で不器用な女性フランは
職場で同僚たちとの関わりをを避けていたが、
退職した女性と入れ替わりで、新しく入社した
男性からのアプローチで次第に親しくなっていく。
心が通ったり、距離ができたり、傷ついたりしながら、
自分だけの空想の世界から飛び出して、
現実世界との関わりに踏み込んでいく成長物語。

自分一人の世界に閉じこもっていると、
気は楽だけれど、自分自身についてさえも
見落としてしまっていたりすることがある、
良い所も悪い所も。
人それぞれ、職場で見せている部分と
あえて隠している部分があったり、
言わないけれど持っている傷があったり、
誰にでも、素直な自分を出せる相手や場所が
あると救いになるのだなあと思う。

シュールで不思議で変わってるといえば
変わってるけれど、後味が良く、あの町に
行ってみたいなあと空想してみたり、
私には好みの映画で、観に行ってよかった。


最後になりましたが、主人公を演じる
デイジー・リドリーは、「スターウォーズ」で
ヒロインを演じ、この映画ではプロデュースも
手掛けたそうです。「スターウォーズ」は
飛行機の中で一作しか観てないですが、
なんか見覚えのある女優さんだと思っていて、
映画を観た後に、このことを知りました。

予告編です。






#映画感想文

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